最近ではタトゥーをファッションとして楽しむ人も増えてきました。
その一方で、入れてはみたものの消し方がわからないという声もよく聞かれます。
この記事では、タトゥー除去の種類や方法、その費用について詳しく解説します。
ちなみに、かつては困難といわれたカラータトゥーの除去も今では可能となりました。
以前、除去治療を受けたけど効果が得られなかったという方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
タトゥー除去の種類
タトゥー除去の方法にはさまざまな種類があります。ここではそれぞれの方法と施術に伴う痛みや副作用についてご紹介します。
レーザー治療
刺青色素に対してレーザーを照射する方法が「レーザー治療」です。
タトゥー除去としてはもっとも人気が高い治療方法で、レーザー照射によって色素を破砕し、細かくなった色素を貪食細胞「マクロファージ」が消化して排出することでタトゥーを除去します。
メスを使わない方法ですが、レーザーの種類によっては皮膚へのダメージや痛みが大きいため、施術を受ける際には事前に医療機関に取り扱い機種を確認した方が良いでしょう。
切開法
タトゥーを皮膚ごと切り取って傷口を縫い合わせる切除法が「切開法」です。
小さなタトゥーや細長いタトゥー向きの方法で、除去自体は一度の手術で完了するため、レーザー治療に次いで施術する方が多い方法です。
大きいタトゥーの場合、傷跡が引きつれるなどの後遺症や痛みが発生しやすいため、あまりお勧めできません。
大きいタトゥーを複数回に分けて施術する「分割切除」という方法もありますが、傷口が裂けたり、皮膚がケロイド状になったりといったリスクがあります。
また、女性のバストや臀部の場合は、ボディラインの崩れやバストトップの位置が左右でずれるといったトラブルが起こる場合もあります。
施術の前に必ずリスクについて納得した上で治療を検討するようにしましょう。
皮膚移植法
タトゥーの入った皮膚を切り取り、他の部分から採取した皮膚を移植するのが「皮膚移植法」です。
これは大きいタトゥーによく用いられる治療法です。ただ、移植する皮膚を自分の肉体の他の部分から持ってくる必要があるため、タトゥーの部位以外にもう1ケ所メスを入れることになり、その分、ダウンタイムも長期化します。
また、場合によっては移植した皮膚が生着せず、再度治療が必要になる場合もあります。
生着率を上げるためには「メッシュ植皮」といった方法もありますが、その場合、皮膚が網目状になってしまうデメリットがあります。
削皮
「削皮」は皮膚を削り取ることでタトゥーを除去する治療法です。
完全に削ってしまうと傷口が治りにくくなってしまうので、9割程度を削り、後は貪食細胞「マクロファージ」に吸収させて体外に排出するといった流れになります。
「切開法」のように縫い合わせる必要がないため、大きめのタトゥーでも対応でき、また「皮膚移植法」のように他の箇所に傷が入ることもありません。
ただ、治療箇所がやけど跡のように残りやすい点や、施術を担当する医師の技量によって結果に差が出やすいなどのリスクがあります。
タトゥー除去にかかる費用
治療法により費用は大きく異なります。医療機関にもよりますが、おおよその目安は下記の通りです。
【レーザー治療】
レーザー治療の場合、手のひらサイズで1回約6万円前後というところが多いようです。約5回〜10回の施術が必要で、1年~1年半程度の期間がかかります。
【切開法】
切開法の場合、同じく手のひらサイズで20万円前後です。
1回の治療で傷跡が完全に閉じるまでは3ケ月程度かかることが多いです。
【皮膚移植法】
皮膚移植法の場合は、範囲にもよりますが、だいたい数十万~数百万ほどといわれ、比較的高額です。
皮膚が生着するまでの期間は、範囲によって変わりますが、1ケ月~数ケ月ほどかかることがほとんどです。
【削皮】
削皮の場合も範囲によって異なります。手のひらサイズでだいたい15万円前後が目安です。完全に皮膚が再生するまでに2~3ケ月が必要で、それまでは毎日、患部を覆うガーゼの交換が必要です。
おすすめはレーザー施術
ここまでさまざまな治療法についてご紹介してきましたが、費用負担やダウンタイム、術後の痛みやケアなどを考慮すると、もっともおすすめなのはレーザー施術といえます。
ここでは数あるレーザー施術を種類ごとに詳しくご説明します。
タトゥー除去可能なレーザーの種類
タトゥー除去に使用可能なレーザーは複数ありますが、ここでは主な3種類をご紹介します。
【Qスイッチヤグレーザー】
タトゥー除去の治療法として、多くのクリニックがナノ秒(10億分の1秒)の波長を持つ「Qスイッチヤグレーザー」を使用しています。
主に黒い色に反応するため、青や緑、オレンジや黄色といったカラフルなタトゥーの除去にはあまり適していません。
また、熱を発するレーザーのため痛みや肌へのダメージは比較的大きくなります。
【アクションツー】
アクションⅡは、水分に強く反応する特徴があり、肌へのダメージは他レーザーと比べると軽減されており、治療痕が目立ちにくい特徴があります。
しかし、レーザー波長が肌の浅い層にしか反応しないため、治療回数がかかったり、他のレーザー治療と併用する必要があります。
【ピコレーザー】
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)の照射スピードで施術できるレーザー機器です。
照射スピードが早いため熱の発生が少なく、痛みや肌へのダメージが軽減されています。 また、黒以外の多色のカラーに反応するため、これまで難しかったカラータトゥーの除去も可能です。
レーザーにもそれぞれに特徴がありますが、タトゥー除去の場合、カラフルな色に反応し、痛みや肌負担が軽減されたピコレーザーがおすすめの施術方法といえます。
ピコレーザーとは
従来のシミ取りレーザーであるQスイッチレーザーは、照射時間が「ナノ秒」のレーザー機器です。
ピコレーザーは、「ナノ秒」の1000分の1である「ピコ秒」単位で照射できる次世代レーザーといえます。
レーザーは照射時間(パルス幅)が長いと、光が熱に変わるため、火傷などのリスクが高まります。照射時間が短ければ短いほど、熱作用は生じにくく、衝撃波によって一瞬で色素を破壊できるため、炎症後色素沈着が起きにくく、皮膚に余計なダメージを与えにくくなります。
ピコレーザー治療のメリットについてより具体的に見てみましょう。
ピコレーザーのメリット
タトゥー除去をピコレーザーで行う場合、主に3つのメリットが挙げられます。
【多色のカラーに対応】
これまでレーザー治療で主に用いられてきたヤグレーザーは、黒以外の色素には反応しにくい特徴がありました。そのため、黒色の単色のタトゥーは除去できても、カラフルなタトゥーの場合、十分な効果を得ることは難しいとされてきました。
しかし、ピコレーザーは波長を選ぶことができるため、黒以外の色素にも対応することができます。
そのため、以前のタトゥー除去治療で取りきれなかった色素もピコレーザー治療によって、効果を出せる可能性があります。
【痛みを軽減】
レーザーは照射時間が長いと熱を発生し、周囲の組織にもダメージを与えます。これが痛みの原因となります。
ピコレーザーでは、レーザーの照射時間を1ピコ秒(1兆分の1秒)まで短縮することによって、熱作用を生じることなく、衝撃波で色素を破砕できます。このため、これまでよりも小さな痛みで治療を行うことが可能になりました。
レーザー照射する以上、痛みゼロというわけにはいきませんが、以前のレーザー治療と比べると、その痛みは大幅に軽減されています。
【治療回数が少ない】
従来のQスイッチレーザーではタトゥー消失まで時間や回数がかかりました。
ピコレーザーを使用することで、治療回数はこれまでの約半分以下にまで短縮することが可能になりました。
施術の流れ
ピコレーザー治療の流れは以下のようになります。
=施術の流れ=
1:タトゥーの状態を確認し、カウンセリングを行ないます。
2:施術箇所に軟膏を塗るか創傷被覆材を貼付し、保護します。
3:レーザーを照射します。
4:施術後、日常生活での注意事項について説明します。
価格
当院では対象部位の大きさによって細かく料金設定を行っています。モニター価格は以下の通りです。
【タトゥー除去:金額】
サイズ | 金額 |
1~5㎠未満 | 22,800円 (税込25,080円) |
5~10㎠未満 | 33,000円 (税込36,300円) |
10~30㎠未満 | 42,000円 (税込46,200円) |
30~50㎠未満 | 49,200円 (税込54,120円) |
50~100㎠未満 | 55,200円 (税込60,720円) |
100~150㎠未満 | 60,000円 (税込66,000円) |
150~250㎠未満 | 74,400円 (税込81,840円) |
250~300㎠未満 | 87,600円 (税込96,360円) |
300~350㎠未満 | 99,600円 (税込109,560円) |
350~400㎠未満 | 110,400円 (税込121,400円) |
400~450㎠未満 | 120,000円 (税込132,000円) |
450㎠~ | ご相談ください |
※自由診療には本国における未承認医薬品・医療機器が含まれます。
治療に使用する機器は当院医師の判断の元、個人輸入にて手続きを行っております。
まとめ
タトゥー除去にはさまざまな治療法があります。
体にメスを入れる治療は怖いという方にはレーザー治療がおすすめですが、これまではカラーの刺青色素にレーザーが反応しにくいといった問題点がありました。
今回ご紹介した「ピコレーザー」は、多色のカラーに対応でき、高い効果が期待できる治療法です。
カラフルタトゥーを除去したいという方はもちろん、これまでの治療法で十分な結果を得られなかったという方も、ピコレーザー治療を検討してみてくださいね。