最近ではファッション感覚で気軽にタトゥーを楽しむ人が増えています。
しかし、その一方で温泉やプールなどに入れないといったデメリットもあり、タトゥー除去の需要も年々、増加傾向にあります。
刺青除去治療にもさまざまな方法がありますが、「Picoレーザー」という治療法をご存知ですか?
ピコレーザーは、従来のレーザー治療のデメリットを改善した画期的な美容医療として今、注目を集めています。
この記事では、ピコレーザーを用いたタトゥー除去方法と、その効果や特徴について詳しくご説明します。
タトゥー除去を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
タトゥー除去の方法
タトゥー除去にはいくつか方法があります。
大きく分けると「レーザー治療」「切開法」「皮膚移植法」「削皮」の4つです。
それぞれの具体的な施術法について詳しくみていきましょう。
レーザー治療
「レーザー治療」は、刺青の色素に医療レーザーを照射し、色素を粉砕して体外に排出させる治療方法です。
破壊された色素は、「貪食細胞(マクロファージ)」によって吸収され、少しずつ体外へと排出されます。
複数回の治療が必要になりますが、メスを入れないので、ダウンタイムや体への負担が少ないなどメリットが多い治療法です。
費用はタトゥーの大きさにもよりますが、手のひらサイズで1回約6万円程度が平均となります。
従来のタトゥー除去レーザー(Qスイッチレーザーなど)は強い痛みを伴いましたが、ピコレーザーの登場により、痛みもダメージも大幅に改善されています。
またピコレーザーは、従来のレーザー治療では不可能とされてきた多色のタトゥーにも対応しているので、以前治療したけれど消えなかった…という方からも人気の高い治療法です。
切開法
タトゥーの入った皮膚を切り取り、周りを縫い合わせる方法が「切開法」です。
基本的には1回で除去できるため、レーザー治療についで一般的な治療方法です。
(タトゥーの大きさによっては複数回治療が必要な方もいます)
縫い合わせた傷跡は残りますが、比較的目立たない白くて細い線状になることがほとんどです。
費用は大きさによりますが、手のひらサイズだと20万円以上が平均価格で、レーザーと比べるとどうしても高額になります。
小さいサイズのタトゥーや細長いタトゥーの除去に適した治療法で、広範囲にわたるタトゥーの場合、後遺症が起きやすく、あまりおすすめできません。
複数回に分けて行う「分割切除」という方法もありますが、傷跡がケロイド状になるなど、後遺症が残るリスクが高いです。
また、関節部分などタトゥーの場所によっては施術が難しい場合があります。皮膚に余裕がない部位の場合も、切り取った周囲の皮膚を縫い合わせるため、ひきつれが起きたり突っ張り感が生じたりといった後遺症が起こる可能性があります。
切開法は担当医師の経験や技量によるところが大きいため、経験豊富な医師や評判のよいクリニックを選ぶようにしましょう。
皮膚移植法
植皮法ともいわれる「皮膚移植法」は、タトゥー部分を切り取り、自分の体の別の部位から皮膚を採取して移植する治療法です。
基本的に1回の手術で除去でき、大きいタトゥーにも対応できますが、傷跡が目立つというデメリットがあります。
費用は数十万から数百万かかることもあり、治療法の中でもかなり高額になります。
治療期間は大きさにもよりますが、移植した皮膚が定着するまでに数ヶ月かかり、傷が馴染むまでにはさらに3年ほどかかります。
皮膚移植には種類があり、採取した皮膚に手を加えず移植する「シート植皮」と、採取した皮膚を細断して移植する「メッシュ植皮」、採取した皮膚を機械で加工してから移植する「パッチ植皮」とがあります。
皮膚移植法は大きなタトゥーも消せるメリットがありますが、体の2ヶ所に大きな傷跡が残り、その分、ダウンタイムも長期化するというデメリットもあります。
また、手術には高度なテクニックを要し、それなりの設備も必要となるため、対応している医療機関が少ないのが現実です。
削皮
「削皮」はアブレーション法ともいわれ、タトゥー部分の皮膚表面を削り取る治療法です。
どんな大きさのタトゥーでも適応可能で、1回の施術でほぼ全てのタトゥーを取り除くことができますが、削った皮膚が再生するまでは毎日アフターケアをする必要があります。
(広範囲に及ぶタトゥーの場合、複数回に分けて治療を行うこともあります。)
患部はケロイド状になることが多く、傷跡が比較的目立つため、見た目が気になる方にはおすすめできません。
費用は大きさにもよりますが、手のひらサイズで15万円程度です。治療期間は約2~3ヶ月かかり、皮膚が再生するまでは毎日ガーゼ交換が必要です。
また、皮膚移植法と同じく、担当医師の腕に左右されるところがあるため、経験豊富な医師や、評判のよいクリニックで施術を受けるようにしましょう。
タトゥー除去レーザーの「ピコレーザー」とは
ピコレーザーは、従来のQスイッチレーザーの照射時間「ナノ秒(10億分の1秒)」よりはるかに短い「ピコ秒(1兆分の1秒)」単位で照射します。
照射時間が極めて短いことで、熱発生がほとんどなく、痛みや皮膚へのダメージが最小限に抑えられています。
当院が導入しているレーザー治療機器「ピコシュア」は、米サイノシュアー社が世界で初めて開発した医療用ピコレーザー治療機器です。FDAの認可を取得しており、その性能の高さは折り紙付きといえます。
「ピコレーザー」によるタトゥー除去治療には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。次の章でより詳しく見てみましょう。
ピコレーザーの特徴
ピコレーザーによってレーザー治療機器の問題点は大きく改善されました。
もっとも大きな改善点は3点あります。ひとつずつご紹介していきます。
照射スピードが早い
ピコ秒(1兆分の1秒)での照射を可能にしたピコレーザー。
照射スピードがアップしたことで、熱作用が生じにくく、より強いエネルギーを肌の奥底にまで届けることができるようになりました。
これにより、色素をより細かく破砕することができます。
色素の粒子が細かければ細かいほど、新陳代謝による体外排出はスムーズになり、従来のレーザー治療と比べて、約半分の治療回数で効果を出すことが可能です。
多色の色に反応する
従来のナノレーザーは黒いインク以外には反応しにくいという特徴があり、カラフルなタトゥーの除去は難しいという問題点がありました。
ピコレーザーは青や赤、緑や紫といった多色の色素に反応するので、さまざまなタトゥーへの効果が期待できます。
痛みやダウンタイムが軽減
ピコレーザーはタトゥー除去に伴う痛みやダウンタイムが大幅に改善されています。
従来のレーザー治療よりも、格段に照射スピードが早いピコレーザーでは、熱作用が生じる時間がほとんどなく、衝撃波だけで色素を破砕します。
そのため、レーザー照射部位や周辺組織が余計な肌ダメージを負うことがなく、従来の治療法に比べて痛みやダウンタイムが軽減されています。
施術の流れ
ピコレーザーによる施術の流れは以下のようになります。
【カウンセリング】
治療部位を詳しく確認し、状態に合った治療法を提案します。レーザー治療が適切と判断でき、患者様の同意を得られれば、施術へと移ります。
具体的な施術内容や費用、考えられる副作用や後遺症、アフターケアなどの説明も同時に行います。
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【施術】
レーザー照射部位を消毒し、必要ならば局所麻酔を行って、レーザーを照射します。
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【施術後の説明】
レーザー照射が終わったら、入浴やアフターケアの際の注意事項について説明があります。
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【アフターケア】
施術後の皮膚はとてもデリケートになっています。患部の日焼けは絶対に避けましょう。必ず日焼け止めを塗るなど紫外線対策を行ってください。
患部に薄いカサブタができることもありますが、1週間から10日程度で自然に剥がれます。無理に剥がしたりせず、経過を見守りましょう。
複数回の照射が必要な場合は2ヶ月ほど間をあけます。術後の経過には個人差があるので、担当医師の指示の元、一人ひとりに合わせて治療を行っていきます。
タトゥー除去の値段
当院ではレーザー照射部位のサイズごとに細かく料金設定を行っています。自分のタトゥーサイズに合ったメニューを選びましょう。
対象範囲 | 価格 |
1~5㎠未満 | 22,800円 (税込25,080円) |
5~10㎠未満 | 33,000円 (税込36,300円) |
10~30㎠未満 | 42,000円 (税込46,200円) |
30~50㎠未満 | 49,200円 (税込54,120円) |
50~100㎠未満 | 55,200円 (税込60,720円) |
100~150㎠未満 | 60,000円 (税込66,000円) |
150~250㎠未満 | 74,400円 (税込81,840円) |
250~300㎠未満 | 87,600円 (税込96,360円) |
300~350㎠未満 | 99,600円 (税込109,560円) |
350~400㎠未満 | 110,400円 (税込121,400円) |
400~450㎠未満 | 120,000円 (税込132,000円) |
450㎠〜 | ご相談ください |
※自由診療には本国における未承認医薬品・医療機器が含まれます。
治療に使用する機器は当院医師の判断の元、個人輸入にて手続きを行っております。
まとめ
タトゥー除去にはさまざまな治療法がありますが、メスを入れることなく色素を体外に排出することができるレーザー治療はとても人気があります。
特にピコレーザーはこれまでのレーザー治療が抱えていた問題点を改善し、治療のリスクを最小限に抑えた画期的な治療法です。
タトゥー除去時の痛みが心配だった方も、従来の治療で色素が取りきれなかったという方も是非、ピコレーザーによる治療を検討されてみてくださいね。