加齢や紫外線、筋肉の衰えなどが原因で、頬のたるみは進行していきます。
自己流のケアだけではなかなか改善しにくい部分ですが、専門的な治療を受けることで効果的に改善が可能です。
本記事では、頬たるみの原因とその改善法をご紹介します。
頬たるみの主な原因
加齢による肌の構造変化
皮膚は表皮、真皮、皮下組織で構成されています。
また、ハリや弾力は真皮内のコラーゲンやエラスチンの量と構造によって保たれています。
ですが、加齢とともに量が減り、構造が崩れて皮膚がたるんでしまう場合があります。
加齢による老化は仕方ありませんが、乾燥や紫外線によってダメージを受けても皮膚のハリや弾力は失われます。
表情筋などの筋肉の衰え
顔には様々な筋肉がありますが、これらが衰えると”たるみ”になります。
中でも、頬のたるみに大きく影響するのが、口角の脇にある頬筋、こめかみ辺りから唇までつながる大頬骨筋です。
これらの表情筋が衰えると頬のたるみが目立つようになります。
皮下組織にある脂肪細胞は、代謝機能が低下すると肥大するので筋肉が衰えると、それを支えきれなくなってたるみが生じることがあります。
紫外線によるダメージ
紫外線を過度に浴びると肌は炎症を起こし、肌の水分保持力が低下します。また紫外線には肌のハリと弾力を支えているコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞を破壊する働きがある為、シワやたるみの原因に繋がります。
頬たるみの原因別改善方法
表情筋・支持組織の衰え
美容マシン
▼HIFU(ハイフ)
ハイフは、高密度の超音波を用いる機械で、HIFUは「高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)」という意味の略称から来ています。
この熱エネルギーによって筋肉(筋膜)を収縮させ、リフトアップ・二重あご解消などの小顔効果、さらに「真皮層」という層へに熱照射でコラーゲン・エラスチンなどの美容成分生成を促し、肌のハリ・ツヤ向上を働きかけます。
関連記事:たるみ改善治療ならウルトラフォーマー3(HIFU)が最適な理由について解説
▼オリジオKISS
オリジオKISSとは、オリジオ、オリジオXに続くRFの機能がさらにバージョンアップされた2024年発売の最新機種です。
RF(高周波)とHIFU(高密度焦点式超音波)を搭載したハイブリッド型マシンで、RFには従来のXモード、Gモードに加え、真皮の最も浅い層に照射するTモードが追加されました。
これにより、真皮の表層から深層まで均一な照射ができ、より効果的な引き締めとコラーゲン生成の促進が可能となります。
SMAS層(筋膜層)にアプローチするHIFUも搭載されているため、RFを併用することによって相乗効果が期待できます。
冷却機能も従来機種より増強されているので、痛みを最小限に抑えて快適な施術が可能に。
また定期的な治療を繰り返すことで、皮膚を引き締めながらコラーゲンを生成し、たるみの改善や予防を促します。小じわ、毛穴の改善や、肌のハリ向上にも期待可能です。
関連記事:オリジオKISS(キス)で切らずに美しいフェイスラインを実現!
▼インモードVリフト
インモードはイスラエルの医療機器メーカー『インモード社』が開発したRF(高周波)を利用した複合機名です。
複合機であるインモードは1つの機器に複数の機能がまとめられており、「フォーマ(Forma)」「ミニFX(mini FX)」といった機能が備わっています。
小顔治療でインモードという場合は、「Forma」と「mini FX」を組み合わせた施術を指し、これらを用いた日本人向けの施術を「インモードVリフト」と呼んでいます。
インモード社の「Forma」x「mini FX」を組み合わせ、効果的に脂肪を破壊しながら、皮膚を引き締めるため、小顔・リフトアップ効果が期待できます。
関連記事:ビフォーアフター有|インモードとは?プロが効果やメリットを解説
物理的な引き上げ
▼フェイスリフト
フェイスリフトは、皮膚を切開し、フェイスラインや首のたるみ、シワを効果的に改善できます。
加齢による皮膚や筋肉のたるみ、SMAS筋膜の衰えに直接アプローチし、長期にわたるリフトアップ効果が期待できます。
▼ミニリフト
耳の前や髪の生え際などフェイスリフトをよりも狭い範囲を切開して、余分な皮膚を取り除きながらSMAS表在性筋膜を引き上げます。
切開する場所もわずかなため傷跡も目立ちません。
▼スレッドリフト
スレッドリフト(糸リフト)とは、コグが付いた糸を皮下に挿入しお顔のたるみを直接持ち上げ、ほうれい線、マリオネットラインやフェイスラインのもたつきの改善が期待できます。
また、糸を挿入することで皮膚の組織が活性化し、コラーゲンが増生されることでお肌のハリ・ツヤアップも期待できます。
関連記事:今話題のスレッドリフトの効果は?たるみ改善や小顔効果について医師が解説
▼当院で使用する糸の種類
一般的に糸リフトに使用されている糸には、「溶ける糸(吸収性)」と「溶けない糸(非吸収性)」があります。
溶けない糸では、老化が進んだ際に皮膚が薄くなって糸の線が出る、不自然な引きつれを起こす、などの可能性があります。
セレクトクリニックの糸リフト治療で使用している糸は全て吸収糸(溶ける糸)です。体内に残存することなく安心して治療をお受けいただけます。
・ヴィーナスリフト
従来の糸リフトが採用していた単純な切り込み状の突起に代わり、立体的なモールディング式突起を備えています。
この突起はメッシュの外側に十分に突出し、周囲の組織としっかりと結合することで、安定した引き上げ効果を実現します。
また、約1ミリの理想的な間隔で設計されたメッシュ構造は、組織の自然な再生を促進します。
施術後約2週間で、メッシュ内部に周辺組織が入り込み始め、コラーゲンやエラスチンの生成が活発化します。
単なる物理的な引き上げ効果だけでなく、肌質の改善という付加的な効果も期待可能です。
・セレクトリフト
PDO(ポリジオキサノン)素材のスレッドに360°方向スパイラル状にカットが入ったCogスレッドです。
PDO という素材は、縫合系として広く使用され安全性が確立されております。
引き上げの効果はもちろん、体内で吸収されていく過程で早期から自己コラーゲン生成を促し、皮膚の弾力とハリを作り出しタイトニング効果をもたらします。
また、PDOは脂肪を委縮させる効果があるため、脂肪が引き締まることで小顔効果も期待できます。
脂肪の増加
脂肪吸引
脂肪吸引とは、カニューレと呼ばれる細い管を挿入し皮下脂肪を吸引する痩身治療です。
脂肪を”細胞の数”から確実に減らすことができるため、食事制限や運動なしで部分痩せを実現し、リバウンドしにくい身体を手に入れることが可能です。
関連記事:ビフォーアフター有|頬の脂肪吸引と糸リフトの同時施術 セレクトリフトとは
加齢に伴う美容成分の減少による肌のハリ低下
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線などのシワの改善だけでなく、ボリュームアップ、リフトアップ、パーツ形成など幅広い治療が可能です。
加齢によって失われた肌のハリや弾力を回復し、シワやたるみを改善する効果が期待できます。
関連記事:ヒアルロン酸でたるみ・ほうれい線治療!気になる治療内容を医師が解説
自宅でできる頬たるみの改善法
中程度のたるみまで進行すると、中々セルフケアでカバーする事は極めて難しいですが、初期のたるみの場合は、保湿ケア、表情筋トレーニング、リンパマッサージ、紫外線対策をセルフケアで実践することで、改善・予防に繋げることは可能です。
表情筋トレーニング
口輪筋トレーニング
唇を閉じて「うー」と発音しながら5秒キープ(10回×3セット)
唇を左右に大きく動かす
口を閉じたまま舌を口の中でぐるりと回す(右回り・左回り各10回)
「あ・い・う・え・お」エクササイズ
「あ・い・う・え・お」と5秒ずつ大きく口を動かして発音し、顔全体の筋肉を刺激します。
なるべくあごを引いて目を見開き、口角を上げた状態で巻き舌にして、『あ・い・う・え・お』と、10セット繰り返すだけでリフトアップが期待できます。
口の周りには口腔周囲筋と呼ばれる、舌・頬・唇・顎などの多数の筋肉があります。
口腔周囲筋は、会話や食事で日常的に使われるも実際は十分に使われておらず、あいうえお体操では、顔全体を鍛えることができ、頬や顎の筋肉のフェイスラインを引き締める効果が期待できます。
ムンクの顔トレーニング
目を大きく見開き、口を「お」の形にして5秒キープ。これを5回ほど繰り返します。
鼻の下を伸ばし、顔を縦に伸ばすように意識しましょう。ほうれい線や目の下のたるみ予防が可能です。
鼻の下伸ばし&側頭筋回し
口を「う」の発音の形にして、その形のまま鼻の下を下に伸ばします。
その状態をキープしながら、頭の横(側頭筋)に手のひらをセットし左右からピタッと押さえます。
その手を後ろ回しに引き上げるように、大きくゆっくりと10回ほど回します。
「う」の形で鼻の下を伸ばすことで、口まわりの筋肉がストレッチされ、柔軟に動かすことができます。
口まわりの筋肉をほぐすことで表情筋のバランスが整い、口角が上がりやすくなります。
また、側頭筋をほぐして柔軟性を高めると、筋肉の引き上げ機能が改善され、顔全体のリフトアップに役立ちます。
マッサージ・ほぐし
頬ほぐし
頬を親指と人差し指でやさしく摘まみ、上下に動かして20秒間ほぐします。
頬をほぐすことで、血流とリンパの流れが促進され、老廃物や余分な水分が排出され、むくみが改善します。
その為、ほうれい線が軽減し、頬全体が引き締まります。また、血行促進により肌のターンオーバーが活性化し、皮膚の弾力が回復しやすくなります。
首もみ
首を片手で覆い、軽く首を後ろに倒します 。その状態で20秒間首をもみほぐしましょう。
首の筋肉をもみほぐすことで、頸部リンパ節の流れがスムーズになり、顔のむくみやたるみが軽減します。
首の筋肉を整えることで頭の位置が正しい位置に戻り、姿勢が改善されます。
顔全体が重力の影響を受けにくくなるため、頬のたるみが改善されく、フェイスラインのたるみ予防にもつながります。
関連記事:顔のたるみを改善するには|市販の美顔グッズは本当に効果ある?
頬のたるみを悪化させない日常習慣
保湿ケア・紫外線対策
正しいスキンケアは、肌の水分量を保ち、肌のバリア機能を強化するためにも大切です。
肌が乾燥すると、肌の弾力が低下し、たるみやすくなります。特に、肌の水分量を保つことは、肌の弾力維持に不可欠です。化粧水や乳液などでしっかりと保湿を行いましょう。
紫外線は、太陽光に含まれる電磁波の一種です。可視光線よりも波長が短く、エネルギーが高いのが特徴です。
紫外線には、UVA、UVB、UVCの3種類があり、そのうちUVCはオゾン層でほぼ吸収されます。一方でUVAは皮膚の奥深くまで到達し、長期的な光老化の原因に、UVBは表皮に作用し日焼けや皮膚がんの主な原因となります。
紫外線はコラーゲンを分解する酵素の活性を高めたり、エラスチンを損傷させたりするのも特徴です。また、紫外線は活性酸素を生成し肌の老化を加速させるので、1年を通してケアを怠らないようにしましょう。
姿勢の改善
姿勢には、顔のたるみと密接な関係があります。姿勢が悪いと、顔が下向きになり、重力によって皮膚が下に引っ張られ、たるみに繋がります。
また、首や肩の筋肉が緊張し血行が悪くなる事で老廃物がたまり、むくみの原因にもなります。
特に、下を向いてスマホを見る習慣は、首や肩の凝り、顔のたるみの原因になります。スマホを見る時はなるべく顔を上げ、まっすぐに見るように心がけましょう。
バランスのとれた食事
タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することは非常に大切です。
肉、魚、卵、大豆製品などから摂取できるタンパク質は、コラーゲンやエラスチンの主成分であり、肌の弾力やハリを維持するために不可欠です。
鳥や豚のレバーに含まれるビタミンA、レモンやキウイなどに含まれるビタミンC、ナッツ類に含まれるビタミンEなどの摂取も肌へのアプローチになります。
一方で、サプリメントなどは多く存在しますが、サプリメントだけを摂取しても肌のアプローチ効果は薄いため、サプリメントは補助程度に考え、バランスのよい食事を心がけましょう。
【Q&A】頬のたるみに関するよくある質問
Q.頬たるみの改善に即効性のある方法はありますか?
A.即効性と確実性を求めるなら美容施術がおすすめです。
Q.頬のたるみ改善に美顔器はどれくらい有効ですか?
A.将来的なたるみ予防や軽度のたるみには効果が期待できますが、中程度~のたるみにはほとんど効かないうえ、正しく行わないと左右差が出るなどのリスクがあります。
Q.頬たるみにボトックスは有効ですか?
A.ボトックスは筋肉の働きを弱める作用があるため、皮膚のたるみを軽減するには効果がありません。
まとめ
顔の余分な皮下脂肪が増え、皮膚や筋肉で支えられなくなると、顔のたるみにつながります。
あごの脂肪は二重あご、頬の脂肪はほうれい線の原因となりますが、自己流ダイエットでは減らすのが難しい部分です。
セレクトクリニックでは、症状によっても異なりますが、HIFU治療やオリジオキスなどダウンタイムを伴わない施術から、即効性のあるスレッドリフトなど、アプローチの仕方や価格帯も異なる様々なたるみ治療を取り揃えています。
たるみの治療の中には複数回の施術が必要だったり、定期的なメンテナンス施術が必要な施術も多くあります。
当院では効果の検証と同時に痛みなどの検証も十分に行った上で機器や治療を採用しています。痛みのない効果的な施術もありますので、診察でご相談ください。
患者様に合った治療方法をご提案させていただきます。