団子鼻を改善し、シャープな鼻のラインを手に入れる美容整形手術のひとつに、鼻尖（びせん）縮小術があります。

鼻尖縮小術にはいくつか方法がありますが、なかでも糸で行うものは、体への負担が少ないため、切開をともなう美容外科手術に抵抗がある方を中心に人気の治療法です。

しかし、一方で「糸で行う鼻尖縮小は元に戻ってしまうのですか？」という質問も多く頂きます。今回は、鼻尖縮小術の種類と、鼻尖形成に関する正しい知識を解説致します。

鼻尖縮小術（鼻尖形成）

鼻の先端部を鋭角にし、シャープなラインに仕上げるのが鼻尖縮小術です。日本人は、欧米人と比較して鼻先が丸く、「団子鼻がコンプレックス」という方が多くいらっしゃいます。

鼻先が丸い要因として、鼻翼軟骨の形状、鼻先の脂肪などが挙げられます。鼻翼軟骨は、鼻腔を覆うように位置しており、鼻先がシュッとしている人は、この鼻翼軟骨が左右に広がることなく、鼻の中心に寄っています。

一方で、鼻先が丸い人は、鼻翼軟骨が丸く、左右に開いてしまっています。さらに鼻先の脂肪量が多かったり、左右の鼻翼軟骨の間に脂肪がつまっていたりすると、鼻先が丸くぼてっとした印象になってしまうのです。

鼻尖縮小術では、鼻翼軟骨の引き寄せ、および脂肪の吸引を行い、鼻先をシャープにします。鼻尖縮小術の詳しい方法については後で説明しますが、切開の必要がないものや、自身の耳の軟骨を移植したりするものなどがあります。

理想を叶えるには、ご自身の鼻の状態に合った治療法を選ぶことが重要です。

鼻尖縮小術がおすすめの人

鼻尖縮小術（鼻尖形成）の種類

糸で行う鼻尖縮小術

医療用の特殊な糸を用いた方法です。鼻先に糸を挿入し、鼻の軟骨を寄せて埋没させ、鼻先をシャープにします。

鼻尖縮小術のうち、もっとも体への負担が少ない方法です。「切開手術は抵抗があるけれど、ヒアルロン酸注入よりも効果が長く続く治療を受けたい！」という方におすすめの治療法です。

切開で行う鼻尖縮小術

鼻の皮膚を切開して、鼻の軟骨を縫合する方法です。

まず、鼻腔内または鼻柱（鼻腔の間）を切開し、鼻先や鼻の軟骨の周囲にある余分な脂肪を除去します。その後、鼻の軟骨の先端部を糸で縫合し、鼻の中心に引き寄せます。すると丸みを帯びていた鼻の軟骨が鋭角になり、鼻先がシャープに整います。

治療後3～5日間はテープで固定が必要です。術後1週間で抜糸を行い、施術は完了です。鼻腔内または鼻の下の部分を切開するので、傷跡が目立ちにくいのが特徴です。糸で行う鼻尖縮小術よりも、正確な調節が可能です。

耳介軟骨を移植して行う鼻尖縮小術

耳から採取した軟骨（耳介軟骨）を、鼻先に移植する方法です。プロテーゼのような人工物ではなく、患者様自身の組織を使うので、より自然な鼻先にしたい人におすすめです。

採取した軟骨を加工して移植するため、患者様の鼻先に合わせて細かい調整ができます。さらに、自分の組織を移植するので、組織同士のなじみがよいというメリットもあります。組織の定着が早いため、施術後にずれたり曲がったりするリスクも抑えられます。

ただし、個人の軟骨の形状や硬さにもよるため、高さを調節できる範囲には限りがあります。患者様の理想の鼻のデザインによっては、切開による鼻尖縮小術で脂肪を除去し、耳介軟骨で鼻先の高さを出すなど、手術を組み合わせて行う場合もあります。

オステオポール（オステオポア)を用いた鼻尖縮小術

オステオポールというメッシュ構造のノーズチップを鼻先に挿入する方法です。

オステオポールは、球状あるいはドーム状の医療用素材です。オステオポールを鼻先に挿入すると、メッシュ構造のなかに肉芽組織が入り込み、徐々に自分の組織に置き換わります。オステオポールは医療用の糸でできており、鼻先に留置後約2年で体内に吸収されます。糸が体内に吸収されたあとも、生成した自家組織によって形状が維持されるため、半永久的にシャープな鼻先をキープできます。

プロテーゼのような人工物ではなく、次第に自己組織へと置換されるため、自然な仕上がりになるのが特徴です。また、切開する範囲が小さいので体への負担が少なく、ダウンタイムが短いのもメリットのひとつです。

糸による鼻尖縮小術のメリット

メリット1：傷跡が目立ちにくい

糸による鼻尖縮小では、糸の挿入により針穴ほどの傷ができますが、ごく小さなものなのでほとんど目立ちません。また、傷口が治ってしまえば、傷跡は残りません。切開をともなう鼻尖縮小術と比較して、傷ができる面積が小さいため、「傷跡が目立たないか心配」「切開するのには抵抗がある」という方におすすめです。

メリット2：ダウンタイムが短い

切開する鼻尖縮小術と比較して、糸のみの施術では腫れや内出血などのリスクが低く抑えられます。もし腫れや内出血があっても、数日間～1週間ほどで落ちつきます。ギプスによる固定の必要もないので、長期休みが取れない方でも、気軽に施術を受けていただけます。

メリット3：施術時間が短い

ほかの鼻尖縮小術では30分～1時間ほど施術に時間を要しますが、糸による鼻尖縮小術は10～20分で済みます。とてもスピーディな治療法なので、忙しい方でも隙間時間に施術を受けていただけます。

糸で行う鼻尖縮小（鼻尖形成）に関してのよくある質問

Q：糸で行う鼻尖縮小術は戻るって本当？

A：患者様から、「糸のみの鼻尖縮小術では、元に戻ることがありますか？」という質問を受けることがあります。結論から申し上げますと、ある程度戻る可能性はあります。ただし、これは糸による鼻尖縮小術に限らず、その他の美容整形一般に関してもいえることです。

美容整形をする前の組織や骨の位置は、体にとって都合のよい配置が保たれています。美容整形では、この配置を物理的に変えているので、それを戻そうと体が反応するのはある意味自然なことです。術式の違いによって、戻りの程度に差はありますが、美容整形後に少し戻ったように感じることは、すべての術式で起こりうるのです。

特に、糸による鼻尖縮小術は手軽にできる反面、他の治療法と比較して劇的な変化を出すことは難しいです。基本的に元の鼻をいかしたナチュラルな仕上がりになるため、しばらくして鼻に見慣れると「少し元に戻った？」と感じる場合もあります。

一方で、糸がゆるんで軟骨が再び開いてしまう可能性もゼロとは言い切れません。そのような事態を避けるためにも、治療の際は豊富な実績があるクリニックを選んだ方がよいでしょう。

Q：手術中痛みを感じることはありますか？

A：鼻に局所麻酔をして、麻酔が効いてから施術を開始します。触れられている感覚はありますが、手術中に痛みを感じることはありません。

Q：腫れはどのくらいでひきますか？

A：術後すぐは麻酔などの影響もありむくんでいますが、腫れは数日間、長くても1週間ほどでひいていきます。鼻先は硬く腫れにくい部位でもあるため、腫れが目立ちにくい方もいらっしゃいます。

Q：内出血はでますか？

A：他の治療法と比較して、切開しないため内出血のリスクは低く抑えられます。もし内出血したとしても、鼻先の皮膚は厚いので、あまり目立ちません。内出血したとしても、1週間ほどで落ち着きます。また、お化粧して頂けますので、コンシーラーなどで隠していただければ人から指摘されることはないでしょう。

まとめ

糸で行う鼻尖縮小術は、広がっている鼻翼軟骨に糸を挿入して鼻先を尖らせる術式です。

切開の必要がないため、切開をともなう美容外科手術に抵抗がある人や、ダウンタイムが短い施術を希望している人におすすめです。

一方で、切開する鼻尖縮小術などと比較すると劇的な変化は難しいため、患者さまの理想とする鼻のデザインによっては、他の治療法をご提案する場合もございます。

鼻尖縮小術にはさまざまな種類があるので、ご自身の希望に合わせて、最適な方法を選びましょう。

当院では無料カウンセリングを行なっております。数ある術式から患者様に合ったベストの方法をご提案致しまので「鼻にコンプックスがある…。」とお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。