お顔の中心に位置する鼻は、顔の印象を大きく左右します。
そのため「もう少し鼻が高ければ…」と鼻の高さや形がコンプレックスになっている方も多いのではないでしょうか。
美容整形で鼻を高くする方法にはいくつかありますが、今回は隆鼻術のひとつであるプロテーゼについて解説していきます。
鼻の整形を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
隆鼻術(りゅうびじゅつ)とは?
隆鼻術とは、一般的に鼻を高くする施術全般を意味します。
美容クリニックにおいてはヒアルロン酸注入術やプロテーゼ、自家組織を用いて鼻を高くする施術を限定的に指すことが多いです。
隆鼻術治療が適している方は以下のような方です。
- 鼻を高くしたい
- 顔に立体感を出したい
- 鼻筋が曲がっているので、まっすぐにしたい
- 目と目の間が離れている
- Eライン(エステティックライン※)のある整った横顔にしたい
※エステティックラインとは、鼻先から顎までを結んだ線の中に唇がおさまっている状態のこと。美しい横顔の条件とされている。
これらのお悩みには、プロテーゼや自家組織を用いて顔のバランスを整えることが有効です。
特にアジア人は、欧米人に比べ鼻根部分が低いため全体的に平べったい印象が強いです。
隆鼻術で鼻根部や鼻背、鼻尖に高さをプラスすれば、立体感のあるフェイスラインを叶えることが可能です。
また、小鼻の張りや大きさが気になる場合には鼻翼縮小術、鼻自体が短い場合は鼻中隔延長術が適用されることもあります。
隆鼻術の種類
一般的な美容外科で行われる隆鼻術の種類と特徴は以下の通りです。
それぞれ解説していきます。
プロテーゼ
シリコンでできたプロテーゼ(人工軟骨)を使って鼻を高くする方法です。
希望する高さや形に整えたプロテーゼを、鼻穴の入り口近くから鼻骨の骨膜下に挿入していきます。
プロテーゼによる隆鼻術は、高くスマートな鼻筋が作りやすいという特徴があります。
ただし、高くしたいからといってあまり大きなプロテーゼを使ってしまうと、鼻の皮膚からプロテーゼが露出したり、ずれて鼻筋が曲がってしまう危険性があります。
自然な仕上がりにするためにも、バランスを考えた上で適切なサイズや形のプロテーゼを使うことが大切です。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸を注入することで、鼻に高さを出すことができます。
注射だけで済むことから、手軽なプチ整形として人気の高い形成術ですが、時間経過とともに効果がなくなっていくデメリットもあります。
効果を継続させたい場合は、定期的にヒアルロン酸注入を行う必要があります。
また、入れすぎるとヒアルロン酸は横に広がってしまう可能性があるため、プロテーゼと比べ高くまっすぐな鼻は作りにくいです。
軟骨などの自家組織
本人の耳や鼻の軟骨などを利用して作られた自家組織を使った隆鼻術もあります。
自家組織移植の場合、耳軟骨(耳介軟骨)を使うことが多いですが、なかには肋軟骨や鼻中隔軟骨などが利用されることもあります。
自家組織のためパーツの定着が早いのがメリットですが、鼻以外の部位に対しても手術を行わなければいけません。
セレクトクリニックでは、耳から取った軟骨を使用する「耳介軟骨移植」のみおこなっています。
耳の軟骨を鼻に移植することで、鼻筋を通したり鼻を高くすることが可能です。
オステオポール
オステオポールとはメッシュ状の3Dボールのことを指します。
2年程度で溶けてなくなりますが、メッシュの中に肉芽組織が入り込み、自分の組織に置き変わるのが最大の特徴です。
オステオポールを使用することで、人工素材を用いることなく自分の組織を使って鼻尖形成をすることが可能です。
ただし、鼻先を整えることはできますが、鼻の高さを出すことはできません。
プロテーゼなどと併用して全体のバランスを整えていきます。
プロテーゼ治療の特徴
隆鼻術にはさまざまな方法がありますが、なかでもプロテーゼ治療は鼻の高さを出すのにもっとも自由度が高い治療法です。
隆鼻術に使用するプロテーゼには、I型とL型の2種類があります。
【I型】
I型のプロテーゼは、L型に比べて鼻先に負担がかからず安全性が高いです。
プロテーゼは、患者さまに合わせて数ミリ単位で削り、大きさや厚みを調整してから挿入します。この手間をかけることで仕上がりが格段に良くなり安定感も増します。
その一方で、I型では鼻筋を整えることしかできないため、「団子鼻を解消したい」「鼻先を尖らせたい」という方には、「鼻尖形成術」をあわせて行います。
【L型】
L型は鼻筋と同時に鼻先も高くすることが可能です。
そのため、鼻を高くするだけでなく、鼻先もシャープに整えたいという方にはL型が適しています。
どちらが良いかは、患者様の希望やお顔のバランスを見て慎重に選んでいきます。
ただし、L型プロテーゼはI型と比べ飛び出しのリスクが高い、という点には注意する必要があります。
自分の鼻に合わない型や大きすぎるプロテーゼは、鼻の形を不自然にしたり思わぬ副作用を引き起こす可能性があるという点には注意が必要です。
安全な手術のためにも、リスクやバランスを考えながら医師とよく相談し、プロテーゼの型を選ぶようにしましょう。
施術の流れ
隆鼻術(プロテーゼ)の施術の流れは以下の通りです。
【カウンセリング】
施術前には十分なカウンセリングを行います。
満足いく隆鼻術のためには、患者様一人ひとりのお顔に合わせてプロテーゼを選ぶことがが重要です。
その方にもっとも適切な治療方法をご提案いたします。
【デザインの調節】
顔のバランスに合わせながらプロテーゼを調整していきます。
ご不安や不明点があればなんでも質問してくださいね。
【手術】
局所麻酔後、鼻を切開しプロテーゼ挿入を行います。
手術にかかる時間は60分程度です。
【帰宅・アフターケア】
施術後の患部はしばらく固定する必要があります。
スタッフより注意事項の説明がありますので、それらにしたがって過ごしてください。
術後の経過観察や抜糸のため、その後も数回通院していただきます。
ダウンタイムと注意事項
術後、なるべく早く回復させるためにはダウンタイムをどのように過ごすかが重要です。
ここでは、ダウンタイムの過ごし方や注意事項について見ていきましょう。
ダウンタイム | 術後はプロテーゼを定着させるために、テープで鼻を固定します。
この固定は3日後、ご自身で外してください。 また数日間は腫れがのこりますが、1週間程度で落ち着いてきます。 人によっては内出血が起こることもありますが、これも1週間~2週間ほどで消失していきます。 |
抜糸 | 1週間後にご来院いただきます。 |
入浴や洗顔 | シャワーは施術当日より可能ですが、患部は濡らさないようにしてください。
入浴は翌日より可能です。 また、洗顔はしばらくできないため、患部を避けながら濡れタオルなどで拭いてください。 |
その他の注意事項 | 強い力でのお顔のマッサージ・歯の治療・眼鏡の長時間使用・ぶつけたり・うつ伏せ寝は1ヶ月間お控えください。
また、術後は化膿止め、痛み止めをお出ししておりますが、服用により何か異常があれば服用を中止して速やかにご連絡ください。 |
費用
施術 | 費用 |
隆鼻術(眉間部含む) シリコン(オーダーメイド) | 700,000円 (税込 770,000円) |
隆鼻術(眉間部含む) 鼻中隔延長と併用した場合 | 495,000円 (税込544,500円) |
オーダーメイドプロテーゼ作成費 | 100,000円 (税込 110,000円) |
鼻翼基部プロテーゼ シリコン(オーダーメイドプロテーゼ) | 300,000円 (税込 330,000円) |
鼻翼基部プロテーゼ オーダーメイドプロテーゼ作成費 | 200,000円 (税込 220,000円) |
鼻プロテーゼ | 300,000円 (税込330,000円) |
※自由診療には本国における未承認医薬品・医療機器が含まれます。
治療に使用する機器は当院医師の判断の元、個人輸入にて手続きを行っております。
よくある質問
プロテーゼ隆鼻手術に関する、よくある質問にお答えしていきます。
ブラックライトで光るって本当ですか?
心配される方が多いですが、鼻プロテーゼがブラックライトで光ることはありません。
ただし、レントゲンやCTスキャン、3次元CT像などでは映し出される可能性があります。
アレルギーを起こすことはありますか?
基本的には、シリコンでアレルギーが起こることはありません。
ただし、施術に使用する薬剤に関してはその限りではないため、その方の体質によってはアレルギー症状が出ることもあります。
薬剤にアレルギーがある方は、必ず医師にご相談ください。
痛みについて教えてください。
麻酔の注射をする際に痛みがありますが、施術中の痛みはほぼありません。
個人差もございますが、施術後も痛み止めを処方いたしますので3日ほどで落ち着く方が多いです。
プロテーゼは自分の好みの高さでお願いすることが可能ですか
プロテーゼは、オーダーメイド感覚でデザインが可能です。
ただし、高すぎるデザインは露出の危険やリスクが高くなるため、患者さまのご希望を伺った上で、医師がバランスを見ながらその方にもっとも合った形をご提案します。
まとめ
プロテーゼによる隆鼻術は、鼻を高くし横顔を整える効果があります。
ヒアルロン酸注入などと比べて、デザインの自由度が高く、より理想の鼻に近づけることが可能です。
しかし一方で、自分に合わないプロテーゼを入れてしまうと、不自然な顔になってしまったり、プロテーゼが露出してしまうケースもあります。
満足いく治療のためには、信頼できる医師のもと適切な治療を受けることが重要です。
当院では無料カウンセリングを行っているので、鼻にコンプレックスがある方はぜひ、お気軽にご相談ください。