多汗症とは
多汗症は、汗の量が非常に多いため日常生活に支障が出ている状態を指します。
原因によって「続発性」と「原発性」に分類されます。「続発性」は発汗の原因になる疾患などがある場合、「原発性」は直接的な原因が特にない場合に該当します。
多汗症は発汗する部位によっても「全身性多汗症」と「局所性多汗症」とに分けられています。局所性多汗症は、汗腺が密集しているワキの下、手の平、足の裏などの発汗が異常に多い場合を言います。温熱や疾患といった原因のほかにも、緊張が高まっているような精神状態に影響を受けて発汗量が増加するケースがあります。
多汗症治療の概要
医療機関で採用されている多汗症の治療法にはいくつかの種類があり、原因や症状の段階によって、対策が異なります。
外用薬を使用する
汗腺を塞いで汗の分泌を抑える「塩化アルミニウム液」を患部に塗るのは有効な方法です。腋にはそのまま塗るだけで問題ありませんが、手の平や足裏の場合は薬液を皮膚に塗り、さらにその上から被覆材で密着させることでより多汗症に対する効果が期待できます。
内服薬を使用する
保険適用の臭化プロパンテリン、適用外のオキシブチニン、コハク酸ソリフェナシンなどといった内服薬による治療もあります。ただし、効果にはムラがあったり、副作用があったりするので、医師や薬剤師の説明をよく聞いて選択するようにしてください。
ボツリヌスの注射
ボツリヌス菌を患部に注射し、汗を抑える方法です。欧米では腋の局所性多汗症の治療によく用いられます。ダウンタイムがほとんどなく手軽に受けられる治療です。当院でも治療を行なっております。
交感神経遮断術
交感神経の働きによる多汗を抑えるために、胸部の交感神経を切除、もしくは焼くなどする治療法です。かつては大がかりな手術が必要でしたが、最近では腋の下を数ミリ切り、そこからカメラを入れて手術することが可能になりました。だいたい10分ほどで完了する場合がほとんどです。
多汗症治療の特徴
多汗症の原因は、全身性多汗症と局所性多汗症によって異なります。
全身性多汗症の原因
温熱性による発汗
↪︎運動、気温の上昇、発熱など
内分泌・代謝性による発汗
↪︎更年期障害、甲状腺機能亢進症、糖尿病など
神経障害による発汗
↪︎パーキンソン病など
薬の副作用による発汗
↪︎向精神薬、睡眠導入薬、非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬など
感染症による発汗
↪︎結核、敗血症など
原発性の発汗
↪︎原因不明
局所性多汗症の原因
精神性の発汗
↪︎緊張、ストレスなど
味覚性の発汗
↪︎辛いものを食べる
神経障害による発汗
↪︎外傷、腫瘍など
その他
↪︎皮膚疾患によるもの
セレクトクリニックで使用している薬剤
✔️ボトックスビスタ(BOTOX VISTA)
米国アラガン社が製造販売する世界で最も使用されているボツリヌストキシンです。
2009年に厚労省にも承認されており安心・安全・高品質で満足度も高いボトックスビスタ(アラガン)の使用をおすすめしています。
✔️ボツラックス(BOTULAX)
韓国製のボトックスです。KFDA(韓国食品医薬品安全庁)で認可され、安全性も認められていますが日本では未承認薬となります。
料金
施術 | 単位 | 料金 |
ボツラックス(部位:脇) | 80単位 | 39,800円(税込43,780円) |
Botox Vista (部位:脇) | 80単位 | 79,800円(税込87,780円) |
※自由診療には本国における未承認医薬品・医療機器が含まれます。
治療に使用する機器は当院医師の判断の元、個人輸入にて手続きを行っております。
よくある質問
施術の際、痛みはありますか?
痛みは注射の針の刺激感のみです。冷却しながらワキや手のひらの汗をかく範囲の皮下に数十カ所に分けて少量ずつお薬を注入します。
手のひらはワキに比べ痛みを感じやすい部位です。痛みに弱い方には麻酔テープのご用意がありますので予約時にご相談ください。
本当に汗をかかなくなりますか?
体温の上昇や緊張・不安などで汗が流れ落ちるほど発汗する方でも、暑い日でも不快感なく快適にお過ごしいただけるようになります。手術をせずに注射だけで汗やニオイを劇的に改善でき、背中やお尻からの汗が増加する副作用もありません。
注射の後、どのくらいで効き始めますか?
施術の翌日~3日目くらいから効果が現れます。
効果はどのくらい続きますか?
初回の効果は約6ヶ月続きます。この治療には発汗に関係する神経の働きをブロックして汗の分泌を抑制する作用があり、汗だけでなく気になるニオイも軽減することができます。注射だけで傷跡の心配がなくダウンタイムもありませんので大変お手軽です。
繰り返し注射を行うことでアポクリン汗腺とエクリン汗腺が徐々に萎縮し、持続期間が長くなり、効果が倍増していきます。
治療の後、ジムやお風呂は可能ですか?
治療後4~5時間は注入部位を強くこすったりしないように注意してください。スポーツや入浴、サウナや飲酒など特に日常生活での禁止事項はありません。
薬剤の量はどのくらいですか?
多汗症やワキガは日常生活に支障をきたし、ご本人様にとっては非常に深刻な病気であるといえます。ワキの多汗症治療に確実に効果が出るといわれる容量(100単位)もご用意しておりますので、安心してお受けいただけます。