イソトロイン(イソトレチノイン)の効果は、治療開始から3~4ヶ月後に実感できることが多いですが、最初の1~2ヶ月は一時的に悪化することがあります。
本記事では、その効果を最大限に引き出すためのポイントや注意点も併せて詳しくご紹介します。
イソトロイン(イソトレチノイン)の効果
イソトロインの効果
イソトロインはビタミンA誘導体で、主に重症の炎症性ニキビに対して効果がある薬剤です。
欧米ではニキビ治療薬として30年以上前から保険適応の内服薬で、商品名はアキュテイン(Accutane)やロアキュタン(Roaccutane)、イソトロイン(Isotroin)といった名称で、諸外国では重症ニキビの治療方法として、広く一般的に使用されています。
皮脂腺を縮小して皮脂の分泌を抑え、肌の異常な角化(皮膚が厚くなり毛穴が詰まること)を抑制します。
また、アクネ菌に対する殺菌作用、免疫応答を正常化する働きがあるので、これにより炎症を鎮め、新たなニキビの発生を抑制します。
セレクトクリニックでは、通常の保険診療のニキビ治療で効果不十分な患者様の次の治療手段として本治療のご提案をしております。
イソトロインが適応の方
・繰り返しニキビができる方
・難治性のニキビがある方
・肌質改善がしたい
・ニキビや酒さの影響でごわごわと厚ぼったい肌質の方
・毛穴の開きや黒ずみが気になる方
・皮脂の過剰な分泌が気になる方
イソトロインの効果はいつから実感できる?
効果がでるまでの目安期間
イソトロインを服用開始後、2~3ヵ月ほどでニキビの改善がみられる場合が多いです。
また個人差はありますが、イソトロインの効果は長く続きやすいと考えられています。
個人差がある
イソトロインの効果は個人差があります。効果が現れるまでの期間や現れ方に影響する要因は、【生活習慣・肌質・ニキビの重症度】が挙げられます。
皮脂の分泌が多い人や生活リズムが不規則な人は、効果の実感が遅れる可能性があります。
イソトロインの効果を最大限に活かすため、日々の生活習慣も整えましょう。
好転反応が見られることも
服用1~2週間で、人によっては好転反応という現象が起こります。
一時的にニキビが悪化する場合がありますが、肌が生まれ変わろうとする良い兆候です。肌のターンオーバーが進んでいるため、自己判断で治療を中止せず、継続してください。
関連記事:【専門医解説】イソトロイン(イソトレチノイン)とは?効果や副作用について徹底解説
イソトロインの効果を高めるポイント
服用期間・容量を守る
効果を最大限に引き出すためには、医師が指示した服用期間を守ることが重要です。
イソトロインは一定期間の服用により、皮脂分泌を抑え、ニキビの原因を改善、毛穴の開きなどを改善する効果が期待できます。
途中で服用をやめてしまうと効果が持続しない場合があるので注意が必要です。また、内服の積算量が120mg/㎏以上になると皮脂の再発率が下がると言われています。
例:体重50㎏の方、1日20mg服用する場合6,000mgが必要量、内服期間は10ヶ月となります。
6,000÷20(1日20mg)=300日(約10ヶ月間)
体重によって必要な内服期間が変わる為、症状が改善されても自己判断で服用を中止せず、医師の指示に従って決められた服用期間を守ってください。
保湿の徹底
イソトロインは皮脂の分泌を抑えるため、全身が乾燥しやすくなります。
ニキビ以外の肌トラブルを防ぐためにも、朝・晩だけでなく日中も保湿ケアを欠かさず行ないましょう。特に唇や粘膜の乾燥が強く現れるため、以下のような対策をしましょう。
・頻繁に保湿する
・化粧水や保湿クリームを使用する
・刺激の強い製品を避ける
・加湿器で室内の乾燥を防ぐ
紫外線対策
・日傘を使用する
・直射日光を避ける
・日焼け止めを毎日使用する
・帽子やサングラスを着用する
・紫外線の強い時間帯の外出を控える
イソトロインは光の感受性を高めやすい薬となるため、服用中は紫外線に注意しましょう。紫外線を浴びると肌に赤みや炎症が出やすくなり、注意が必要です。
以下、実際にセレクトクリニックでイソトロインを服用をされた方の症例です。
イソトロインの副作用と注意点
皮膚・粘膜の乾燥
この副作用はイソトロイン内服中の代表的なもので、ほぼ100%の患者さんに発生します。皮脂の分泌量が少なくなるため、全身が乾燥しやすくなります。
乾燥によって皮膚炎、口角炎、口唇炎、ドライアイなどが起こる可能性があります。それに伴い、赤ら顔や鼻血もよく起こる副作用です。
顔だけでなく体全体が乾燥するため、全身の保湿をしっかり行いましょう。
血液検査の数値異常
副作用には、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇が認められることがあります。
そのため当院では必要に応じて定期的な採血検査により、これらの数値に異常が出ていないかを確認します。
現在これらの症状で治療中の方は、イソトロインの処方ができないこともあるため、当院までご相談ください。
胎児への影響
妊娠中、妊活中、妊娠の可能性がある方はイソトロインの服用ができません。
服用した場合、胎児の催奇形性、死産、流産のリスクがあります。女性は服用期間中と服用終了後1か月間は、必ず避妊を徹底してください。
リスク管理をしっかり行うことにより安全に治療を受けることが可能です。
頭痛
ごく稀に頭蓋内圧が亢進することで頭痛が起こります。症状が軽度であれば減量により内服を継続できる場合もあります。
ですが、症状によっては中止が必要な場合もあるため、まずは医師までご相談ください。
一時的な脱毛
非常に稀ですが、人によっては抜け毛が増えるといわれています。通常は服用を中止すると症状は回復します。症状が軽度であれば服用を継続できます。
症状が強いときには、医師にご相談ください。医師の診察により、症状にあわせて用法・用量の変更や服用を中止するなどの対応が必要になる場合があります。
アレルギー
ピーナッツ・大豆・パラベンアレルギーの方は服用ができません。
服用時の注意点
医師の処方が必要
イソトロインを服用する際は、医師の処方が必要となるため必ず医療機関を受診しなければなりません。
イソトロインは日本では未承認医薬品であり、輸入するためには本来医師免許が必要です。
自己判断で服用を中止しない
イソトロインは副作用が出る場合がありますが(個人差あり)、自己判断で服用を中止してしまうと適切な治療ができなくなってしまいます。
イソトロインは海外では保険治療薬として、30年以上の使用実績がある内服薬です。医師の指示に従って服用する事が最も重要となります。
セレクトクリニックでは気になる副作用が出たときには、薬の服用量を調整したり、対症療法で対応したりすることもあります。
気になる副作用が出た場合は、自己判断で服用を中止する前に医師までご相談ください。
セレクトクリニックのイソトロイン処方料金
イソトロイン内服薬 30日分(20mg/1錠当たり)
25,000円 (税込27,500円)
※4箱以上ご購入で 一箱税込22,000円となります。
イソトロインに関するよくある疑問
イソトロイン内服を避けるべきケースとは
イソトロインには、副作用として催奇形性が報告されています。妊娠中、授乳中の方は服用ができません。
妊娠における合併症などに対して、一切の責任を負いかねます。女性の方は服用中、服用終了後1ヶ月間、妊娠・授乳・献血はお控えください。
男性の方は服用中、服用終了後1ヶ月間、献血はお控えください。またこの期間は授乳や献血も避けてください。
また、精神疾患や心疾患の方、ピーナツ・大豆・パラベンアレルギーの方、肝機能障害のある方、中性脂肪、コレステロール値の高い方もお控えください。
イソトロインと併用が好ましくない薬品・成分
イソトロインの服用中は、以下の薬との併用は避けましょう。
テトラサイクリン系の抗生物質内服
中止していただき、2〜3週間後から服用を開始してください。
ステロイドを服用している方
中止していただき、2〜3週間後から服用を開始してください。(ステロイド外用と吸入は問題ありません)
ビタミンA
ビタミンAが入っていないサプリメントに切り替えていただき、1週間明けてから服用を開始してください。
フェニトイン内服
万が一、上記の成分を含んだ内服薬やサプリメントを服用中の方は、イソトロインの服用を開始する前に、当院へご相談ください。
まとめ
ニキビの中でも根が深く赤く炎症を起こしているニキビは非常に治すのが困難です。
このような難治性のニキビには、ビタミンAを主成分とするイソトロインの内服薬を服用する治療方法があります。
商品名はアクネトレント・イソトロインの他、アキュテイン、ロアキュタンといった名前でも広く知られています。
海外ではニキビ治療において保険適用のある治療効果の非常に高い内服薬ですが、日本では認可されていないため、自由診療になります。
保険適用の治療では治りにくかったニキビに対しても効果が期待できます。
今まで保険治療や医療機器を使用しても治らなかった方はお気軽にご相談ください。