IPLとレーザーは、どちらも光エネルギーを利用して肌悩みの改善を目指す美容医療ですが、光の性質や照射方法、得意とする症状には違いがあります。
シミやそばかすだけでなく、くすみや赤ら顔、毛穴などにも対応できるため、「IPLとレーザーはどちらがいいの?」と迷う方も多いでしょう。
本記事では、IPLとレーザーの違いを、光の性質や照射範囲、得意な肌悩み、ダウンタイムなどの観点から比較します。
IPLとレーザーの基本的な違いを比較
IPLとレーザーは、どちらも光エネルギーを利用して、メラニンやヘモグロビン、水分など皮膚にあるターゲットへ作用する治療ですが、光の性質や照射方法には大きな違いがあります。
| 比較 | IPL | レーザー |
| 光の特徴 | 複数の波長を含む光を照射する | 特定の波長の光を照射する |
| 照射範囲 | 顔全体など広範囲に照射しやすい | 悩みや使用するレーザーの種類に応じて、ピンポイントまたは広範囲に照射する |
| 得意な肌悩み | 薄いシミ、そばかす、赤み、くすみ、全体的な肌質改善 | 使用する波長や照射方法によって、さまざまな悩みに対応 |
| アプローチ | 複数の肌悩みをまとめてケアしやすい | 特定の肌悩みに集中的にアプローチしやすい |
| ダウンタイム | 比較的抑えやすい傾向にある | 種類や照射方法によって異なる |
IPLとレーザーは「どちらのほうが優れているか」というよりも、肌悩みや治療する範囲、希望するダウンタイムなどに応じて使い分けるものと考えると、理解がしやすくなります。
波長とパルス幅による仕組みの違い
IPLとレーザーの違いを理解するうえで重要なのが、波長とパルス幅です。
IPLは、幅広い波長帯を含む光を一度に照射する治療で、メラニン色素や毛細血管など複数のターゲットへ同時に働きかけやすいという特徴がある一方、レーザーは特定の波長にエネルギーを絞り込んで照射するため、シミや血管など狙った対象へピンポイントで熱エネルギーを届けやすくなります。
また、治療効果や肌への負担は、パルス幅だけでなく、出力やスポット径、照射回数、対象となる組織などによっても異なります。そのため、パルス幅の長短だけで刺激の強さや効果を判断することはできません。
得意とするアプローチ範囲の違い
IPLは顔全体に面で光を当てられるため、シミやくすみ、赤みなど複数の悩みにまとめてアプローチしたい方の選択肢となり、色素性病変や血管病変、光老化など幅広い皮膚の悩みに利用されています。
一方レーザーは、狙った部位へピンポイントでエネルギーを集中させやすいため、輪郭のはっきりしたシミや毛細血管など、特定の悩みを重点的に改善したい場合に選ばれやすい治療です。
ただし、レーザーにも顔全体へ照射する治療はあり、「IPLは広範囲、レーザーは必ずピンポイント」と決まっているわけではありません。
両者は照射範囲ではなく、光の性質や作用の違いによって治療方法が分かれると考えるとよいでしょう。
IPL(光治療)の特徴とメリット
IPLは、複数の波長を含む光を顔全体に照射することで、シミやくすみ、赤みなど、さまざまな肌悩みへまとめてアプローチできる治療です。
パルス幅が長く熱が穏やかに広がりやすいという特性もあり、レーザーに比べて刺激を抑えやすいため、美容医療がはじめての方でも検討しやすい治療といえます。
複数の肌悩みへ同時にアプローチできる仕組み
IPLは1回の照射で複数の波長を同時に扱えるため、シミやくすみ、赤み、ハリ不足など、性質の異なる肌悩みへまとめて働きかけられる特性があります。
幅広い波長帯を含む光が、メラニンやヘモグロビンなど異なる対象へ働きかけることで、複数の肌悩みへまとめてアプローチできる点がIPLの特徴です。また、熱刺激によって肌のハリやキメの変化を目指す場合もあります。
ただし、どの悩みにどの程度の効果を感じられるかには個人差があるため、気になる悩みが複数ある場合は、施術前に医師へ具体的に相談することが大切です。
痛みやダウンタイムを比較的抑えやすい特性
IPLはパルス幅が長く、熱が周囲へゆるやかに広がりやすい特性を持つため、単一波長を強いエネルギーで照射するレーザーに比べると、痛みや肌への刺激を比較的抑えやすい傾向があります。
ただし、赤みやほてり、かさぶたなどが生じる場合があり、症状や持続期間には個人差があります。
効果を感じるまでの期間と回数の目安
IPLは、1回の施術で大きな変化を得るというより、複数回の照射によって少しずつ肌状態を整えていく治療です。
施術を重ねることで、少しずつ肌状態の変化を目指していくイメージで、単発の施術で大きな変化を求めるというよりも、コツコツと回数を重ねることで効果を積み上げていく治療と捉えていただくとよいでしょう。
必要な回数や照射間隔は、肌悩みの種類や程度によって異なるため、ご自身のペースやスケジュールに合わせて、医師と相談しながら通院計画を立てていくことが大切です。
レーザー治療の特徴とメリット
レーザーは、特定の波長にエネルギーを集中させて照射する治療で、色素や血管、水分など、それぞれの波長が反応するターゲットへ強く働きかけられる点が特徴です。
治療したい悩みに合わせてレーザーを選ぶことで、輪郭のはっきりしたシミや血管、毛穴など、肌悩みに応じて集中的にアプローチしやすくなります。
ピンポイントで狙った悩みへ作用する仕組み
レーザーは特定の波長にエネルギーを絞り込んで照射するため、輪郭のはっきりしたシミや毛細血管など、特定のターゲットへ強く働きかけやすいという特徴があります。
IPLのように複数の波長を同時に扱うのではなく、狙った対象にエネルギーを絞り込むことで、周囲の組織への影響を抑えながら、気になる部分へ集中的にアプローチできる点がレーザーの特徴といえるでしょう。
波長によって異なる得意分野
レーザーは種類によって反応するターゲットが次のように異なり、波長ごとに得意な分野が分かれています。
【主なターゲット】
- メラニンなどの色素
- 血管中のヘモグロビン
- 水分
同じ「レーザー治療」であっても、シミに向いているものと、赤みや血管に向いているもの、毛穴やニキビ跡といった肌質改善に向いているものとでは仕組みがまったく異なるため、悩みに合わせて適切な種類を選ぶことが欠かせません。
どのレーザーがご自身の悩みに合っているかを見極めるには、自己判断で決めるのではなく、肌状態を診察したうえで医師に選定してもらうことが大切です。
効果の実感しやすさと副作用の可能性
レーザーは、種類や対象となる症状によっては1回の施術でも変化を感じられる場合もありますが、必要な回数や効果の現れ方には個人差があり、すべての方が同じように早期の変化を実感できるとは限りません。
また、照射後に赤みやかさぶたなど一時的な反応が生じる場合もあり、こうした反応の程度や持続期間は、使用するレーザーの種類や出力、肌質によって異なります。
【お悩み別】IPLとレーザーを選ぶポイント
IPLとレーザーにはそれぞれ得意とする肌悩みがあるため、どちらを選ぶべきかは、ご自身が気になっている悩みの種類や状態によって変わります。
ここでは、代表的な肌悩みごとにIPLとレーザーの選び方をご紹介します。
シミやくすみが気になる方
顔全体のくすみや薄いシミ、そばかすなど、複数の色ムラをまとめてケアしたい場合はIPLが選択肢になる一方、輪郭のはっきりした濃いシミなど、特定の色素を集中的に治療したい場合は、レーザーが適している場合があります。
ただし、シミには老人性色素斑や肝斑、そばかすなどさまざまな種類があり、見た目が似ていても適した治療が異なる場合があるため、自己判断で治療を選ばず、医師に診断してもらうことが大切です。
赤みや血管の広がりが気になる方
毛細血管拡張や赤ら顔など、血管由来の赤みが気になる方には、血液中のヘモグロビンに反応する波長を持つレーザーが選択肢になりやすい傾向があります。
IPLも赤みへのアプローチが期待できる治療ではありますが、広がった毛細血管そのものへピンポイントで作用させたい場合には、波長を絞り込めるレーザーのほうが適していると判断されるケースもあります。
毛穴や肌質全体の改善を重視したい方
毛穴の目立ちやニキビ跡、ハリ不足など、肌質全体を整えたい場合は、レーザーの種類や照射方法によって適した治療を検討できます。
毛穴やハリ不足は原因が一つとは限らず、色素や血管だけでなく、肌の水分保持力やコラーゲン量など複数の要因が関わっていることが多いため、悩みの背景に合わせて治療を使い分けることで、より効果的にアプローチできる場合があります。
【選ばれやすいアプローチ例】
- 毛穴の開きやニキビ跡の凹凸:
水分に反応するレーザーで、肌の再生を促すアプローチ
- 色素沈着を伴うニキビ跡やくすみ:
メラニンに反応する波長を持つレーザーでのアプローチ
- 肌全体のハリ不足やキメの乱れ:
微細な穿孔をつくり肌の生まれ変わりを促す、フラクショナル照射によるアプローチ
どのアプローチが向いているかは肌状態や悩みの深さによって異なるため、医師の診察を受けたうえで、ご自身に合った治療を選ぶことが大切です。
セレクトクリニックで受けられるレーザー治療
セレクトクリニックでは、経験豊富な医師による診察のもと、患者様一人ひとりの肌悩みやご希望に合わせたオーダーメイドの治療をご提案しております。
ここでは、セレクトクリニックで受けられる代表的なレーザー治療を、シミ・くすみ、赤みや血管、毛穴・肌質改善という3つの悩み別にご紹介します。
【シミやくすみに】ピコレーザーシリーズ
セレクトクリニックでは、同じピコレーザーでも照射方法の異なる複数の治療をご用意しており、シミやくすみの状態に合わせて使い分けることができます。
輪郭のはっきりしたシミには狙った部分へピンポイントで照射するピコスポット、顔全体に広がる色ムラやくすみには顔全体へ低出力で照射するピコレーザートーニング、毛穴や肌質そのものの改善を重視したい場合にはピコフラクショナルというように、悩みの性質に応じて選択肢をご用意しております。
ピコレーザートーニングやピコフラクショナルでは、施術後に赤み、膨疹、水疱、吹き出物などが生じる場合があります。また、一時的に色素が濃くなるほか、色素沈着や色素脱失が起こる可能性もあります。症状の現れ方や経過には個人差があります。
| 施術 | 特徴 |
| ピコレーザートーニング | 顔全体に低出力のピコレーザーを照射し、くすみや肝斑などの原因となるメラニンに穏やかにアプローチする |
| ピコスポット | 濃く目立つシミやそばかすにピコレーザーをピンポイントで照射し、メラニンを集中的に狙う |

- 施術の説明:ピコレーザートーニング (全顔+瞼)17回/ピコスポット (全顔+目周り+唇)2回
- 副作用:パチパチとした痛み、乾燥、色素脱失、色素沈着、水泡形成
- 費用:124,080~508,640円(税込)
【赤みや血管の悩みに】アドバテックスとVビーム
赤みや血管の広がりが気になる方には、アドバテックスレーザーとVビームという2種類のレーザーが選択肢になります。
Vビームは595nmのパルス色素レーザーで、血管の中のヘモグロビンに反応する特性を活かし、毛細血管拡張や赤ら顔など血管由来の悩みへ働きかける治療です。
一方、アドバテックスレーザーは、589nmと1319nmという2つの波長を使い分けられる点が特徴で、589nmで血管や赤みへ、1,319nmで皮脂腺や肌質へとアプローチできるため、赤みと肌質改善を同時に目指したい方に向いています。
| 施術 | 特徴 |
| アドバテックスレーザー | 2つの波長で赤みと肌質改善を同時に目指せる |
| Vビーム | 赤色(血管の中のヘモグロビン)に反応するレーザーで、気になる赤みや毛細血管、炎症に働きかけ、赤ら顔にアプローチする |

- 施術内容:アドバテックスレーザー4回/アドバテックスレーザーSPOT照射(看護師処置)1回/イソトロイン内服
- 費用:267,300円(税込) ※定額記載 ※コース価格あり
- リスク:ごく稀に腫れ、赤み、水疱形成、熱傷、色素沈着、瘢痕
【毛穴や肌質改善に】エルビウムヤグレーザークリスタ・ピコフラクショナル
毛穴の目立ちや小じわ、ニキビ跡など肌質そのものの改善を重視したい方には、エルビウムヤグレーザークリスタやピコフラクショナルが選択肢になります。
エルビウムヤグレーザークリスタは、メラニン色素ではなく皮膚に含まれる水分に強く反応するレーザーのため、主にニキビ跡の凹凸や毛穴、肌のざらつきといった皮膚の入れ替え・肌質改善を目的として用いられます。
一方ピコフラクショナルは、ピコ秒レーザーを点状に照射して肌にごく微細な穴をつくり、その刺激によって肌の再生を促し、毛穴やニキビ跡、ハリ不足など肌質全体の底上げを目指す治療です。
| 施術 | 特徴 |
| エルビウムヤグレーザー | 水分に反応するレーザーで、ニキビ跡の凹凸や毛穴、肌のざらつきなどの改善を目指す |
| ピコフラクショナル | レーザーを点状に照射して肌の自然な再生を促し、毛穴やニキビ跡、ハリ不足などの肌質改善を目指す |
セレクトクリニックのエルビウムヤグレーザークリスタを詳しく見てみる
【FAQ】IPLとレーザーの違いでよくある質問
IPLとレーザーに関して多くの方から寄せられる質問を、回答とともにご紹介します。
IPLとレーザーは同時に受けられますか?
悩みの種類や肌状態によっては、顔全体の肌質改善をIPLで、気になる部分の赤みや血管をレーザーで、というように役割を分けて組み合わせて受けられる場合があります。
ただし、組み合わせの可否や順番は肌状態によって異なるため、必ず医師の診察を受けたうえで、併用の可否や方法を判断することが大切です。
IPLとレーザーはどちらが痛みを感じにくいですか?
IPLは波長が広くマイルドな熱エネルギーを肌へ与える治療のため、単一波長を強く照射するレーザーに比べて刺激を穏やかに感じやすい傾向があります。
ただし、レーザーも種類や出力によって痛みの感じ方は大きく異なり、痛みの感じ方そのものにも個人差があるため、一概にどちらの痛みが少ないとはいえません。
効果を実感するまでに何回受ければいいですか?
必要な回数は、肌悩みの種類や程度、使用する機器、照射方法によって異なります。
IPLのように複数回の継続照射によって変化を目指す治療もあれば、レーザーのように悩みによっては数回で変化を実感しやすいタイプの治療もあるため、まずは診察でご自身の肌状態を確認したうえで、おおよその目安を医師に相談してみるとよいでしょう。
肝斑がある場合はIPLとレーザーどちらが向いていますか?
肝斑は、強い刺激によって症状が悪化する可能性があるため、レーザーを使用する場合も、種類や出力などを慎重に検討する必要があります。
IPLや低出力での照射など、肝斑に配慮した治療方針を選ぶことが重要になるため、自己判断で治療を選ばず、必ず医師の診察を受けたうえで方針を決めていきましょう。
まとめ
IPLとレーザーは、どちらも肌悩みにアプローチする光治療ですが、使用する光の性質や得意とする肌悩み、照射方法などに違いがあります。
IPLは複数の波長を含む光を利用するため、シミやそばかす、赤み、くすみなど、複数の肌悩みにまとめてアプローチしやすいことが特徴である一方、レーザーは特定の波長を利用し、メラニンやヘモグロビンなど狙ったターゲットへ集中的にアプローチしやすい治療です。
IPLとレーザーのどちらが適しているかは、肌悩みの種類だけでなく、肌の状態や治療の目的、希望するダウンタイムなどを踏まえて選択することが大切です。
セレクトクリニックでは、医師が患者様一人ひとりの肌悩みや希望を確認したうえで、ピコレーザーやVビーム、アドバテックス、エルビウムヤグレーザーなど、複数のレーザー治療から適した方法をご提案させていただきます。
ご自身の肌悩みに適した治療方法をお探しの方は、まずはお気軽に当院までご相談ください。




