「日焼け止めを何度も塗り直すのが面倒」
「きちんと塗れているか心配」
「飲むだけで紫外線対策ができるなら試してみたい」
このような理由から、「飲む日焼け止め」と呼ばれるサプリメントに関心を持つ方が増えています。
飲む日焼け止めは、紫外線を浴びた際に生じる肌への影響に着目した成分を含むサプリメントです。
しかし、塗る日焼け止めのように紫外線を肌表面で遮るものではなく、飲むだけで日焼けを防げるわけではありません。
一部の成分については、紫外線による赤みなどへの影響を調べた研究がありますが、研究規模は限定的であり、得られる作用にも個人差があります。
あくまで、塗る日焼け止めや帽子、日傘などによる紫外線対策を補助するものとして位置づけることが重要です。
シダ植物由来成分の研究でも、紫外線による紅斑を生じるまでの量が増加した例などが報告されていますが、塗る日焼け止めの代替になることを示すものではありません。
本記事では、飲む日焼け止めに期待される働きや塗る日焼け止めとの違い、正しい使い分け方、主な製品の特徴、摂取する際の注意点について解説します。
飲む日焼け止めとは?
飲む日焼け止めとは、紫外線を浴びた際に生じる肌への影響に着目した成分を配合したサプリメントの通称です。
「日焼け止め」という名称が使われていますが、肌表面で紫外線を遮る塗る日焼け止めとは、作用の考え方が異なります。
紫外線ダメージへのケアを補助するサプリメント
飲む日焼け止めの多くは、医薬品ではなく、食品に分類されるサプリメントや美容補助食品です。
製品によって異なりますが、シダ植物由来のポリフェノールや植物エキス、ビタミン類などが配合されています。これらには、抗酸化作用などが報告されている成分もあります。
肌が紫外線を浴びると、活性酸素の産生や炎症反応など、さまざまな変化が生じます。
飲む日焼け止めは、こうした紫外線曝露に伴う変化に対するケアを、栄養面から補助する目的で取り入れられています。
シダ植物(ポリポディウム・レウコトモス)由来成分については、紫外線照射後の赤みや最小紅斑量に関する小規模な臨床研究があります。
一方で、対象者数や摂取期間、使用された製品が限られているため、すべての製品に同様の結果が期待できるとは限りません。
また、サプリメントは医薬品ではなく、病気の治療や予防を目的とするものでもありません。
摂取したからといって、日焼けやシミ、光老化などを必ず防げるわけではないことを理解しておきましょう。
塗るタイプでは不足しやすい部分を補助できる
塗る日焼け止めは、適切な量を均一に塗り、汗や水、摩擦などに応じて塗り直す必要があります。
一般的には、屋外で過ごす際は約2時間ごとの塗り直しに加え、汗をかいた後や泳いだ後、タオルで拭いた後などにも再塗布が必要とされています。
しかし、実際には次のような悩みが起こりやすいものです。
- 外出先で日焼け止めを塗り直す時間がない
- メイクの上から塗り直すのが難しい
- 耳や首、頭皮、背中などに塗り忘れがある
- 汗や皮脂で落ちてしまう
- 日焼け止めが肌に合わず、刺激を感じる
- 塗布量が少なく、十分に塗れていない
飲む日焼け止めは、このような塗布の難しさを補助する選択肢として取り入れられることがあります。
ただし、飲む日焼け止めは、塗り忘れた部位の紫外線を直接遮断するものではありません。「飲んでいるから塗らなくてよい」と考えるのではなく、基本的な紫外線対策に追加して使用することが大切です。
飲む日焼け止めと塗る日焼け止めの違い
飲む日焼け止めと塗る日焼け止めは、名称は似ていますが、作用する場所と役割が大きく異なります。
作用する仕組みの違い
| 比較項目 | 塗る日焼け止め | 飲む日焼け止め |
| 分類 | 化粧品・医薬部外品など | サプリメント・美容補助食品など |
| 作用する場所 | 主に肌の表面 | 体内 |
| 主な役割 | 紫外線を吸収・散乱し、肌への到達を抑える | 紫外線曝露に伴う肌への影響に対するケアを補助する |
| 紫外線を直接遮るか | 遮る | 遮らない |
| 使用方法 | 外出前に塗り、必要に応じて塗り直す | 製品ごとに定められた目安量・タイミングで摂取する |
| 塗りにくい部位への対応 | 塗布が必要 | 全身への栄養補助として取り入れられる |
| 単独での紫外線対策 | 基本となる | 単独では不十分 |
塗る日焼け止めは、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤によって、紫外線が肌へ届く量を抑えるものです。
一方、飲む日焼け止めは、紫外線を肌表面で遮断するものではありません。製品に含まれる植物由来成分やビタミン類などを摂取し、紫外線曝露に伴う酸化ストレスなどへのケアを補助するという考え方です。
そのため、どちらか一方が優れているのではなく、そもそもの役割が異なります。
飲む日焼け止めだけでは不十分な理由
飲む日焼け止めには、塗る日焼け止めに表示されるSPFやPAに相当する、標準化された紫外線防御効果の表示はありません。
また、飲む日焼け止めを摂取しても、肌へ届く紫外線そのものを遮断できるわけではありません。
一部の臨床研究では、特定の成分を一定期間摂取した後に、紫外線による赤みが生じにくくなったことなどが報告されています。
しかし、対象者数が少ない研究も多く、製品ごとに成分や配合量も異なります。さらに、皮膚がんやシミ、光老化をどの程度予防できるかについて、十分に確立されたものではありません。
そのため、紫外線対策の基本は、次の方法を組み合わせることです。
- 肌に合った塗る日焼け止めを適量使用する
- 屋外では必要に応じて塗り直す
- 日傘や帽子、サングラスを使用する
- 長袖やUVカット機能のある衣類を着用する
- 日差しの強い時間帯は日陰を選ぶ
- 飲む日焼け止めは補助的に取り入れる
WHOも、日陰を利用することや衣類、サングラス、塗る日焼け止めなどを組み合わせた対策を推奨しています。
飲む日焼け止めの主な製品と特徴
飲む日焼け止めは、製品によって配合成分や摂取方法、位置づけが異なります。
ここでは、セレクトクリニックで取り扱う製品を例に、それぞれの特徴をご紹介します。
なお、以下はいずれも塗る日焼け止めの代わりになるものではありません。製品の摂取によって、日焼けやシミなどを確実に防げるわけではなく、感じ方や体調への影響にも個人差があります。
ソルプロプリュスホワイト サプリメント
ソルプロプリュスホワイト サプリメントは、カイゲンファーマ株式会社が展開する医療機関専売の美容補助食品です。
コンブ仮根抽出エキス末とローズマリー乾燥エキスを組み合わせた独自素材「カルボクリア™」のほか、三重大学と共同開発した褐藻類由来の「マリンポリフェノール®」が配合されています。
さらに、ヒシ果皮抽出エキス、ザクロ抽出物、シトラス果実、栗渋皮抽出物など、植物由来の原料も含まれています。
摂取目安は、1日1粒です。継続しやすい小粒のカプセルであり、毎日の美容習慣の一つとして取り入れやすいことが特徴です。
ただし、メーカー公式サイトでも、本製品は美容補助食品であり、「肌への特定の効果を期待させるものではない」と明記されています。飲み始める時期や継続期間については、生活スタイルや製品の摂取目安を確認したうえで判断しましょう。
ヘリオケア ウルトラD(HELIOCARE ULTRA-D)
ヘリオケア ウルトラDは、シダ植物由来のASPA-Fernblock®を主成分とするサプリメントです。
メーカーの現行製品情報では、1カプセルあたりASPA-Fernblock®240mgのほか、N-アセチルシステイン、ナイアシンアミド、ビタミンC、ビタミンE、プレバイオティクスなどが配合されています。
メーカーが示す摂取方法は、日光を浴びる前に1日1カプセルです。
また、公式情報でも、日光を浴びる際には適切な塗る日焼け止めを使用すること、推奨摂取量を超えないこと、サプリメントをバランスのよい食事や健康的な生活の代わりにしないことが注意事項として示されています。
ヘリオケア ウルトラDは、栄養機能食品として販売されている製品です。塗る日焼け止めのように紫外線を遮断するものではなく、サプリメントとして取り入れることが大切です。
飲む日焼け止めを取り入れる際の注意点
飲む日焼け止めは、食品に分類される製品であっても、誰にでも問題なく使用できるとは限りません。
摂取前には、成分表示や摂取目安、アレルギーの有無、服用中の薬などを確認しましょう。
摂取前に確認したいポイント
次に該当する方は、摂取前に医師や薬剤師へ相談することをおすすめします。
- 妊娠中または授乳中の方
- 妊娠の可能性がある方
- 子ども
- 持病がある方
- 医薬品を服用している方
- 複数のサプリメントを摂取している方
- 食品や植物に対するアレルギーがある方
- 過去にサプリメントで体調を崩したことがある方
サプリメント同士でビタミンや植物由来成分が重複することもあります。また、体質や服用中の薬によっては、摂取に注意が必要な場合があります。
摂取後に、発疹、かゆみ、吐き気、腹痛、下痢、息苦しさなどの体調変化が現れた場合は、摂取を中止してください。症状が強い場合や改善しない場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。
製品ごとに原材料や注意事項が異なるため、「飲む日焼け止め」という名称だけで判断せず、必ず個別の表示を確認することが大切です。
インターネット上の非正規品や個人輸入品に注意する
海外製品をインターネットで購入する場合、販売経路によっては、保管状態や品質、製品の真正性を確認できないことがあります。
厚生労働省は、海外から個人輸入される製品について、国内の法令に基づいた品質・有効性・安全性の確認が行われていない場合があることや、偽造品、不衛生な環境で製造された製品、表示と異なる成分を含む製品などの可能性を注意喚起しています。
また、海外ではサプリメントとして流通していても、医薬品成分を含んでいたり、医薬品的な効能・効果を標ぼうしていたりする場合、日本国内では医薬品に該当することがあります。
海外製品の中には、日本国内で承認されていない医薬品や、日本では医薬品として扱われる成分を含むものもあります。購入前には製品の分類や販売元を確認することが大切です。
購入する際は、次の点を確認しましょう。
- 正規の販売経路であるか
- 製造元や輸入元が明確か
- 日本語の成分表示や注意事項があるか
- 賞味期限や保管方法が確認できるか
- 成分や摂取目安について説明を受けられるか
- 体調変化が起きた際に相談できる体制があるか
自己判断による個人輸入は避け、取り扱いのある医療機関や正規販売店での購入を検討することが大切です。
日焼け後の肌に関するご相談はセレクトクリニックへ
塗る日焼け止めや帽子、日傘、飲む日焼け止めなどを組み合わせても、紫外線の影響を完全に避けることは困難です。
長時間屋外で過ごした後や、日焼け止めを十分に塗れなかった場合には、赤みやほてり、ヒリヒリ感などが現れることがあります。
日焼け後の治療は、肌の炎症が残っている時期と、炎症が落ち着いた後とで適した対応が異なります。
セレクトクリニックでは、医師が肌状態を確認し、施術を行わずに経過をみるべき時期も含めて、一人ひとりに合った対応をご提案します。
日焼け直後にできる対応
日焼け直後に赤みやほてり、ヒリヒリ感がある場合は、紫外線によって肌に炎症が生じている可能性があります。
この時期は、レーザーやピーリング、針を使用する施術など、刺激を伴う美容施術を急いで行うべきではありません。
まずは次のような対応が基本です。
- 冷たいタオルなどでやさしく冷却する
- 肌をこすらない
- 入浴時は熱いお湯を避ける
- 刺激の強い化粧品や角質ケアを休止する
- 肌にしみにくい保湿剤を使用する
- 水分を適切に摂取する
- 追加の紫外線曝露を避ける
水ぶくれや強い腫れ、広範囲の痛み、発熱、吐き気などがある場合は、重度の日焼けや熱中症などの可能性もあるため、自己判断で美容施術を受けず、皮膚科などの医療機関へ相談してください。
炎症が軽く、医師が施術可能と判断した場合には、肌状態に配慮した施術が検討されることもあります。
ケアシス
ケアシスは、エレクトロポレーションを利用して美容成分を角質層へ導入する施術です。
針を使わない施術ですが、日焼け直後の炎症が強い肌に必ず適しているわけではありません。赤みやヒリつきの程度を医師が確認し、使用する薬剤や施術時期を慎重に判断します。
「日焼けしたらすぐにケアシスを受ければよい」というものではなく、炎症が強い場合は冷却や保湿を優先し、施術を延期することがあります。
炎症が落ち着いた後に検討できる治療
日焼け後の赤みや刺激感が落ち着いた後も、シミや色ムラ、くすみ、肌のざらつき、毛穴の目立ちなどが気になることがあります。
ただし、日焼け後の肌変化に見えても、肝斑や炎症後色素沈着、老人性色素斑などが混在している場合があります。状態によって適した治療が異なるため、自己判断で施術を選ばず、医師の診察を受けることが重要です。
シミ・色ムラが気になる場合
肌状態や色素の種類に応じて、次のような治療が検討されることがあります。
- ピコレーザートーニング
- ピコスポット
- マッサージピール
- 医師が適応を判断したピーリング治療
- 内服薬や外用薬
- スキンケア指導
ピコスポットなどの強いエネルギーを用いる治療は、色素の種類や日焼けの状態によっては適さない場合があります。
日焼けが残っている時期に施術すると、炎症後色素沈着などのリスクが高まる可能性があるため、施術時期を慎重に判断します。
毛穴や肌質が気になる場合
炎症が十分に落ち着き、肌状態が安定した後には、次のような施術が検討されることがあります。
これらの施術には、赤み、腫れ、ヒリつき、内出血、かさぶた、色素沈着などのリスクがあります。また、日焼け後の肌状態によっては施術を延期することがあります。
セレクトクリニックでは、期待できる変化だけでなく、施術のリスクや副作用、ダウンタイムについても説明したうえで、一人ひとりの肌状態に合わせた治療をご提案します。
日焼け後の赤みやシミ、色ムラ、肌質の変化などが気になる方は、まずはカウンセリングでご相談ください。
飲む日焼け止めでよくある質問
飲む日焼け止めはいつから飲み始めるとよいですか?
飲み始める時期は、製品によって異なります。
毎日継続して摂取することを前提とする製品もあれば、日光を浴びる前に摂取することが示されている製品もあります。
例えば、ソルプロプリュスホワイト サプリメントは、1日1粒を目安に摂取する製品です。ヘリオケア ウルトラDのメーカー表示では、日光を浴びる前に1日1カプセルを摂取する方法が示されています。
「夏の何日前から飲めば必ず効果が出る」と一律にはいえません。製品ごとの表示や医師の説明に従い、摂取目安を超えないようにしましょう。
効果はどのくらい持続しますか?
飲む日焼け止めの持続時間を、一律に示すことはできません。
成分や配合量、摂取方法、体質などによって異なるほか、サプリメントには塗る日焼け止めのSPFのような統一された指標がないためです。
製品によっては外出前の摂取が示されていますが、一定時間が経過したら紫外線対策が完全に失われる、または反対に一日中十分な効果が続くと断定することはできません。
飲む日焼け止めの摂取時間にかかわらず、塗る日焼け止めの塗り直しや、帽子、日傘などの対策を継続してください。
男性や子どもでも飲めますか?
性別を問わず摂取できる製品もあります。
ただし、子どもについては、製品ごとに対象年齢や摂取量、注意事項が異なります。成人向け製品を、自己判断で量を減らして子どもに与えることは避けてください。
また、アレルギーや持病、服薬状況によっては摂取できないことがあります。
男性、女性、子どもを問わず、対象年齢や原材料を確認し、不明な場合は医師や薬剤師、メーカーへ相談しましょう。
ほかのサプリメントと一緒に飲んでも問題ありませんか?
製品によって異なるため、「ほかのサプリメントと併用しても問題ない」と一律にはいえません。
飲む日焼け止めには、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ナイアシンアミド、植物由来成分などが含まれていることがあります。
美容サプリメントやマルチビタミンなどと併用すると、同じ成分を重複して摂取する可能性があります。
また、医薬品を服用している方は、成分によっては組み合わせに注意が必要な場合があります。現在使用している医薬品やサプリメントがある場合は、製品名や成分表示が分かるものを持参し、医師や薬剤師へ相談してください。
飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
飲み忘れた際の対応は、製品の表示に従ってください。
一般的には、飲み忘れた分を補うために、次回にまとめて摂取することは避けます。
気づいた時点で摂取できる場合でも、1日の摂取目安量を超えないようにしましょう。次の摂取時間が近い場合は、飲み忘れた分を飛ばすなど、製品ごとの案内に従ってください。
摂取量を増やしても、紫外線への対策が強くなるとは限りません。過剰摂取によって体調を崩す可能性もあるため、定められた摂取目安を守ることが大切です。
まとめ
飲む日焼け止めとは、紫外線を浴びた際に生じる肌への影響に着目した成分を含むサプリメントの通称です。
植物由来のポリフェノールやビタミン類などを含む製品があり、一部の成分については、紫外線による赤みなどへの影響を調べた研究もあります。
しかし、飲む日焼け止めは、肌表面で紫外線を遮るものではありません。日焼けやシミ、光老化などを必ず防げるものでもなく、塗る日焼け止めの代わりにはならない点に注意が必要です。
紫外線対策は、次の方法を組み合わせて行いましょう。
- 塗る日焼け止めを適量使用する
- 屋外ではこまめに塗り直す
- 日傘や帽子、サングラスを使用する
- 肌を衣類で覆う
- 日陰を利用する
- 飲む日焼け止めを補助的に取り入れる
また、日焼け後に赤みやヒリつきがある場合は、美容施術を急がず、まず冷却や保湿によって肌をいたわることが大切です。
セレクトクリニックでは、飲む日焼け止めを含むホームケアのご相談から、日焼け後のシミ、色ムラ、毛穴、肌質などのお悩みまで、医師が肌状態を確認したうえで適したケアや治療をご提案します。
ご自身に合った紫外線対策や日焼け後のケアについてお悩みの方は、ぜひセレクトクリニックへご相談ください。











