ボトックスは手軽で効果的な治療ですが、施術方法や部位の選び方を間違えると思わぬトラブルにつながることも。
安全に理想の仕上がりを得るためには、おさえておくべきポイントがあります。
本記事では、ボトックス治療でよくあるトラブルや失敗例をもとに、注入部位の選び方、適切な量の決め方、施術前後の注意点などを詳しく解説します。
初めてボトックスを受ける方も、すでにご経験のある方も、安全で満足度の高い仕上がりを目指すための参考にしてください。
ボトックスで起こりうる代表的な失敗例
表情の不自然さ
ボトックスは注入した部位の筋肉の動きを抑えることでシワを改善するものですが、注入した場所から僅かに周囲の筋肉に広がる性質があります。
このため、本来は動かしたくない筋肉まで作用してしまい、思わぬ変化が起こる場合があります。
効きすぎ・薬剤の流れ
ボトックスは“拡散性”があり、注入した部位から周囲の筋肉に作用が及ぶことがあります。
その場合、本来意図していない筋肉に作用してしまい、思わぬ変化が起こる場合があります。
額や眉間、まぶたが重くなる(眼瞼下垂)
額や眉間にボトックスを注入した際、まぶたを持ち上げる筋肉まで薬剤が影響すると目が開きにくくなることがあります。
これを眼瞼下垂と呼び、見た目が重く疲れた印象になったり、視界が少し狭く感じたりする場合があります。
通常は薬剤の作用が薄れる数週間〜数ヶ月で改善しますが、日常生活に支障がある場合は医師に相談し、適切なサポートを受けることが大切です。
眉の位置の変化
ボトックスが意図せず眉の周囲の筋肉に作用すると眉が下がったり、逆に上がりすぎたりすることがあります。
額や眉間の筋肉は表情のバランスを取る重要な部分なので、少しの影響でも不自然な表情になりやすい部位です。
これを防ぐには、筋肉の構造や動きを正確に理解した上で、適切な部位・深さ・量で注入することが必要です。
口角の下がり
口元のボトックス注入で口角が下がると笑顔が不自然に見えたり、疲れている印象を与えたりします。
口角の筋肉は小さく、周囲の筋肉とのつながりも複雑なため、量や位置のわずかな違いでも仕上がりに大きく影響します。
ボトックスの失敗を防ぐためには、部位ごとの筋肉構造を正確に理解し、注入の深さや量を適切に調整することが重要です。
また、施術前に医師が筋肉の動きを丁寧に確認し、個人差に合わせたプランを立てることで、効きすぎや薬剤の流れによるトラブルを最小限に抑えることができます。
効果がない/持続しない
ボトックスはシワ改善や筋肉の動きの抑制に効果的ですが、場合によっては「思ったほど効果を感じられなかった」「効果が早く切れた」と感じることがあります。具体的には以下のようなケースです。
- シワがほとんど改善されない
- 効果が2〜3週間ほどで切れたように感じる
このような原因として考えられるのは、 以下のようなことが挙げられます。
- 注入量が少なすぎる
- 肉の動きが強い部位に十分届いていない
- 人差による代謝の違い
- まれにボトックスに対する抗体ができることによる効果の低下
抗体ができると、同じ量のボトックスでも効果が弱まる可能性がありますが、非常に稀なケースです。
▼その他のトラブル
内出血や腫れ
注射部位によっては少量の出血や腫れが起こることがありますが、通常は数日で治まります。
内出血になった場合は1週間程度で治まっていきます。
感染症や炎症
ごく稀に、衛生管理が不十分だと感染症や炎症が起こる可能性があります。
なぜボトックスの失敗は起こるのか?
医師の技術・経験不足(注入量、注入層、注入箇所の見極めミス)
ボトックスは注入する量や深さ、部位の選び方が仕上がりに大きく影響します。
経験や知識が十分でない医師の場合、注入量が多すぎて表情が硬くなったり、注入層を誤って効果が出にくくなったりすることがあります。
また、注入箇所を正しく見極められないと、眉や口角の位置が不自然になることもあります。
安全で自然な仕上がりを得るには、豊富な症例経験と解剖学の知識を持つ医師による施術が不可欠です。
患者様の体質・骨格(予測しにくい表情筋の付き方など)
筋肉の付き方や骨格には個人差があり、同じ量を同じ部位に注入しても仕上がりが異なることがあります。
表情筋が強く発達している方は効果が出にくく、骨格や筋肉の位置が個性的な方は注入後の表情が不自然になる場合もあります。
そのため、施術前のカウンセリングで筋肉や骨格の特徴を丁寧に確認し、個人に合わせた注入計画を立てることが重要です。
薬剤の品質(適切な製剤が使用されているか)
製剤によって成分や濃度、効果の持続期間に差があり、適切な品質の薬剤を使用していない場合は効果が弱かったり、持続が短かったりすることがあります。
また、薬剤が流れて意図しない部位に作用したり、稀に炎症などの副作用が出ることもあります。
正規品の製剤を使用し、適切に管理されたクリニックで施術を受けることが安全性の面でも大切です。
ボトックスの失敗は元に戻せる?
失敗したと感じたときの緊急対処法
まず大切なのは、自己判断でマッサージを行わないことです。誤った処置は状態を悪化させるリスクがあります。
仕上がりに違和感や不自然さを感じた場合は、必ず施術を行ったクリニックに相談してください。
失敗した場合の回復期間と対策について
表情の不自然さ:額や眉間、口元などにボトックスを注入した際に表情が硬くなることがあります。
これは、ボトックスが筋肉の動きを抑える作用によって、シワは改善される一方で、笑ったり話したりするときの自然な表情まで制限されてしまうためです。
通常、このような不自然さは数週間から数ヶ月で徐々に改善します。ボトックスは時間とともに筋肉への作用が薄れていくため、少しずつ元の自然な筋肉の動きが戻ってくるからです。
もし不自然さが長引く場合や、どうしても早く調整したい場合には、医師による修正注入(追加注入や微調整)が行われることもあります。
例えば、注入量を少なくしたり、筋肉の一部だけにピンポイントで再注入することで自然な表情を取り戻すことが可能です。
眼瞼下垂など
まぶたが重くなる、眉が下がるなどの「効きすぎ」による症状は、ボトックスが想定以上に周囲の筋肉に作用した場合に起こります。
これは主に額や眉間に注入したボトックスが目を開ける筋肉にまで影響したときに見られます。
この場合、ボトックスの作用が切れるまで通常3~6ヶ月程度かかります。
時間とともに薬剤の効果が薄れ、筋肉の動きが徐々に戻ることで、まぶたの開きや眉の位置も自然な状態に近づきます。
ボトックスで失敗しないために|クリニック選びのポイント
ボトックスで失敗しないためには、5つのポイントをおさえてクリニックを選ぶことが大切です。
①経験豊富な医師が施術を行うか
ボトックスの効果や安全性は、医師の技術と経験に大きく左右されます。
注入量や注入部位の選定、筋肉の動きの見極めなどは、知識と経験がなければ正確に行うことができません。
症例数が多く、幅広い部位の施術経験がある医師であれば、自然で安全な仕上がりの可能性が高まります。
クリニックのホームページやカウンセリング時に、医師の経歴や症例数を確認しておくことが大切です。
②丁寧なカウンセリングで希望とリスクをすり合わせているか
ボトックスは手軽な治療ですが、部位や注入量によって仕上がりや副作用のリスクが変わります。
施術前に希望の仕上がりや表情の特徴をしっかり医師と共有し、リスクや回復期間についても説明を受けることが重要です。
カウンセリングが丁寧なクリニックでは、個人の筋肉の付き方や骨格を考慮した最適な治療を提案してもらえます。
③薬剤の種類や製造元を明確にしているか
ボトックス製剤には種類や濃度、持続期間に違いがあります。安全で効果的な施術を受けるためには、正規品の製剤を使用していることが大前提です。
クリニックがどの製剤を使用しているか、どのメーカーの製品かを明確に説明できるかを確認しましょう。
信頼できる製剤を使用することで、効果の安定性や安全性が高まります。
④アフターフォロー体制が充実しているか
施術後に仕上がりや副作用の心配がある場合、すぐに相談できる体制が整っていることは安心材料です。
たとえ少量でも副作用や表情の違和感が出ることがあります。
アフターフォローがしっかりしているクリニックでは、修正注入や回復のサポート、必要に応じたアドバイスを受けられるため、万が一のトラブルも落ち着いて対応できます。
⑤症例が豊富に掲載されているか
実際の施術例が豊富に掲載されているクリニックは、医師の技術や仕上がりの傾向を判断しやすいです。
症例写真や施術前後の比較画像を確認することで、自然な仕上がりや失敗例の有無などもイメージしやすくなります。
症例数が多く部位別や年代別の掲載があると、より自分に合った施術をイメージできます。
ボトックスで失敗したと感じたらセレクトクリニックへご相談ください
ボトックスの仕上がりに不安を感じたり、思ったような状態と違うと感じた場合でも、一人で抱え込む必要はありません。
セレクトクリニックでは、他院で施術を受けた方からのご相談にも対応しています。医師が丁寧に状態を確認し、現状に合わせて可能なケアや対処法をご提案いたします。
「表情が硬い気がする」「まぶたが重く感じる」など、ほんの小さな違和感でも構いません。
状態によっては、経過観察が最適な場合もあれば、負担のない範囲で改善に向けたサポートができる場合もあります。まずはお気軽にご相談ください。
専門医があなたのお悩みに寄り添い、最適な対応を一緒に考えてまいります。
まとめ
ボトックスはシワの改善や若々しい印象づくりに効果的な治療ですが、仕上がりの満足度は注入技術・薬剤選び・個々の筋肉の特徴をどれだけ正確に理解して施術するかで大きく変わります。
そのため、表情が不自然になる、まぶたが重く感じる、効果が弱いなどのトラブルは、決して珍しいものではありません。
失敗を防ぐために大切なのは、 以下のような基本的なポイントをしっかり押さえてクリニックを選ぶことです。
- 経験豊富な医師を選ぶ
- カウンセリングで、希望とリスクを共有する
- 正規品の薬剤を使用しているか確認すること
- 万が一の際も相談できる体制が整っていること
また、仕上がりに違和感がある場合でも、ほとんどのケースで時間とともに自然に改善していきます。
必要に応じて医師が状態を見極め、可能な範囲でバランス調整やアフターケアを行うことで、より快適に回復を迎えることも可能です。
セレクトクリニックでは初めての方はもちろん、他院での施術に不安を感じている方にも寄り添い、丁寧な診察と豊富な経験にもとづいた安全な治療を心がけています。
ボトックスを安心して受けたい方、仕上がりに不安がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。専門医があなたに合った最適な方法をご提案いたします。
